第46話 魔法アイテム
「操られたオークの王を......
そうかそれで今いろんな国がオークの国と外交し始めたのね......
それにしてもあなたたちわたしの国であれだけ危険にあって、またそんな危険なことをしてるなんて」
ルイエはそうあきれたように言った。
「仕方ないだろ。
そうしないと俺の国が戦争に巻き込まれそうだったからな」
ザインが頭をかく。
「まあ、無事だったからいいけど......
それでそれがソートスタッフね」
オレの杖を見ながらルイエは目を輝かせている。
「ほらね!
ただのおとぎ話じゃないでしょう」
ルイエはそらみたことかといわんばかりにオレをみた。
「まあ確かに、使ったとされる魔法のアイテムは実在するしな。
でも魔王ってなんなんだ?
モンスターの親玉か」
オレが聞くと、三人は一瞬黙った。
「悪いやつだろ」
「種族も性別も能力もわからないよ。
ただとても強い魔法を使ったってことだけ」
「そうね。
突然現れてモンスターをつくって操り、この世界を支配しようとしたと、記録にはあるけど......」
「なんだそれ?
魔王とかいってるくせに具体的になにをしたかとか知らないのかよ」
「英雄譚だからな。
それぞれの種族でも自分の種族を主体に描いてるらしいし、魔王はただの悪者扱いだ。
詳しい事実は興味ないからな」
ザインがいった。
(まあ、千年も前の話なら仕方ないか......)
オレたちは遺跡を進む。
地下二十階に進んだところで遺跡深部に到達した。
そこはひときわ広い空間に神殿が建っていた。
この地下にありながら神殿はうっすら青く光っていた。
「これは......
すごいな」
「俺もいくつか遺跡をみたことがあるけど初めてみる遺跡だな」
「なんか怖いよ......」
オレたちがそんな話をしていると、柱をみていたルイエがオレたちを呼ぶ。
「ほらこれ。
この文字、古代文字でかいてあるわ......
アリーシア......」
「聖女アリーシアの古代神殿か......」
オレたちはゆっくり中に入った。
「そういや聖女アリーシアって
身体がないのにどうやっているってわかったんだ?」
「聖女アリーシアは魔王と戦うために精霊『エレメンタル》の掟を破り肉体をえたらしい。
その結果、
リビィは周囲を見回しながらそういう。
「その神殿か」
「まあ、感謝した者たちがアリーシアを称えるため建てた神殿じゃないかしらね」
「おっ!明るいところにでるぞ」
ザインの声が響く。
そこは広い部屋で中央に祭壇のようなものがあり、その祭壇には大きな獣の像がある。
「あれは?」
「すごいキレイな像ね」
「さすがにこれ見よがしすぎる。
俺の感知には引っ掛からないからモンスターはいないが......
何か罠があるかもな」
「うん、周囲を警戒しないとね」
オレたちはゆっくりと近づく。
近づくと台座となっている獣の像の造形がよくみえてきた。
その像の額には青くてまるい宝石がはまっている。
「これ石像か良くできてるな。
めちゃくちゃ精巧だ......
ライオンか、でも顔が人......」
「このサソリのような尾これは......」
そうルイエが言った瞬間、その石像の色が変わる。
「おいおい! これ温度が上がってるぞ!」
「いや! これ生きてるんだよ!」
その人面のライオンは動きだし口を開いた。
「愚かなる者よ。
この宝玉に触れることは叶わぬ......」
そういうとうなり声をあげ、凄まじい速さで飛んでオレたちを吹き飛ばす。
「ぐっ!」
「きゃあ!」
「わぁ!」
「ぐわあ!」
オレたちはすぐ体勢をたて直す。
「こいつなんだ!
ルイエの物理耐性の魔法がかかってなかったら死んでたぞ!」
「こいつはマンティコア!
ものすごく速いから......」
ルイエが説明してる間に空から突進してくる。
それをザインの槍が止める。
「このまま切り裂く!」
槍が振動するとその瞬間マンティコアは空に退避した。
リビィはすかさず矢を射るが尾から撃たれた光の弾で打ち落とされる。
「速い! これはやばいぞユーヤ!
魔力もけた違いだ!」
ザインがマンティコアの尾から撃ちだされる弾を槍で弾きながら叫ぶ。
「ルイエは魔法で少しでもあしを止めて!
はリビィは雷雲で敵の目隠しを!
ザインは二人を守ってくれ!」
オレは杖に意識を集中する。
マンティコアの
(これはマンティコアの記憶か......)
この神殿の中だった。
目の前に若い女性がいる。
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