第42話 最後
「ルイエか!?」
「どういうこと!?」
ザインとリビィは女王をみて困惑している。
「あれが女王だよ」
俺が伝えるともっと混乱している。
「女王!
ご無事でしたか」
フェルスはかしづく。
二人はまだ信じる確信がないのかオレたちと距離を保っている。
「ええ、このキルフィナのおかげで何とかモンスターをやり過ごしました。
「いえ女王の回復魔法のおかげです」
よくみると二人とも体に傷をうけ泥だらけだった。
「一応、回復ポーションと薬を持ってきていますのでこれをお使いください」
そうオレがカバンから薬をだそうとすると、女王はこちらをじっと見つめている。
「その声......
まさか、あなたはユーヤ様ですか?」
「はい、あの時は信じていただいてありがとうございました。
ご病気の方はいかがですか」
「ええ!
あなたの薬のおかげでこんなにも回復しました。
ではそちらがザイン様、リビィ様ですね」
そう嬉しそうに女王はいった。
ザインとリビィは様づけされて驚いている。
(そういえばあのときより、ほほがふっくらしてよりルイエに似ている)
「そうか、貴殿が女王に薬を渡してくれた異世界の方か。
本当に感謝している」
キルフィナさんは剣を納め、あたまを下げた。
「いえ、それよりこの薬とポーションを」
二人は信用したのか受けとると薬を飲んだ。
「で外はとうなっているのですか」
「それは......」
オレたちはルイエたちがラハラールに捕まったことを伝えた。
「くっ!
私があの時、魔法で眠らされていなければ」
「仕方ありませんキルフィナ。
ラハラールは
あの
女王は口惜しそうに語るキルフィナをなぐさめた。
(
ラハラールが外で誰かにあってたという噂は本当だったのか......)
「女王、早くここから帰ってルイエを助けなければ!」
「そうだね!」
「ああ、早くいこうぜ!」
「そうですね。
ラハラールも止めねばなりません」
オレたちは地下迷宮から帰った。
地下迷宮を何とか脱出したオレたちは、姿を消して王宮を移動する。
フェルスについていくとひときわ大きな部屋の前に止まった。
「ラハラール大臣の部屋だ」
キルフィナさんがそういう。
「だが、部屋の前に衛兵はいないな」
「人払いをしているのか」
フェルスがそういった。
確かに誰かが話しているようだ。
「一人はラハラール、他の者たちはラハラール派閥の貴族でしょう」
女王がそういう。
オレたちはその声を静かに聞いた。
「くっくっく、 まさか向こうからやってくるとは、これで迷宮の女王も死んでくれるのを待つだけだ」
「ですがラハラールどの。
あの異世界人がこの国に潜入を企てていると伝えてきたのでしょう」
「今となっては構わぬ。
あやつのいってたことなどな。
ルイエとジルエストをここに捕らえておるし、もはやこの王宮に入ることは不可能だろうからな」
そういって皆で笑っている。
(あやつ......
やはりオレの行動が漏れてるか......
オレがいないのを知ってるのはあの人か......)
「ラハラール様、この国が手に入ったとき、あの異世界の国と手を結ぶおつもりですか」
一人の貴族がきいた。
「ふん! そんなことするわけがなかろう。
あやつもこの国に呼び出して消すに決まっている」
「なるほど。
そういうことでしたか」
「誰だ!?
ここに人はおらぬはず!!」
「わたくしですよ。
ラハラール」
そういうと、女王は扉を開け中に入ると、消した姿を現した。
「なっ! 女王なぜここに!?」
ラハラールと貴族たちは驚いている。
そして剣を抜こうとしたのを、姿を現したフェルスとキルフィナが叩き伏せた。
「ぐはっ!!」
その時、まぶしい光が部屋を包んだ。
そこにいたラハラールの姿がない。
「ラハラールがいない!?」
オレたちが追いかけると、通路の窓から飛び降りる姿が見えた。
その時。
「ぐわああ!!」
そう大きな叫び声が聞こえ窓から下をのぞくと、ラハラールは倒れていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます