第22話 アイテム制作
オレたちはそれからいくつかの
「はあー、今日はアイテム創作の授業があるのか......」
「ホント......
気が滅入るよね」
ザインとリビィがため息をつきながらぼやいている。
オレはこの授業が結構楽しみだった。
(これ面白いんだよな。
いろんな効果を付与したアイテムをつくれるから。
こないだ
魔法アイテムの授業を担任する女性の
「おはようございます。
魔法アイテムの製作についてさらに説明しますね。
魔法アイテムとは通常のアイテムに
レアなアイテムは大抵このような魔法か込められたものです」
そうゆっくりとおっとりした口調で説明する。
「商店や遺跡や
(確かに、武器はザインに借りてるナイフしかないな。
剣術や体術はあまり得意じゃないから、ほとんど魔法だよりだ。
でも何かあったらザインたちに迷惑がかかるからな。
一人でも戦えるなにかをつくりたいが......)
ディレイ先生は小指のさきほどの小さな黄色の石をこちらに見せる。
「前にもいいましたが、これが魔法石です。
これに魔力、魔法を込めてアイテムにつけ効果を付与します。
大きさ素材により、付与できる効果や時間が変わり、最上級のものは
(あれか、売ってしまったのはもったい無かったかな)
「みんなに魔法石を渡すので、これで魔法のアイテムをつくってください。
期間は一週間、この課題の成果によってこの学科の得点とします」
えーー! とみんなが騒ぐ。
みんな苦手なようだ。
「あと、購入、貰うなど以外で入手した武具や魔法石を使って作っても構いません。
自信のある人は
ふふふっ、といいながら先生は魔法石を配るとでていった。
「くはっ! まさかこれが課題だとは!!」
「これボクたち落第じゃないの......
得点とれる気がしないよ......」
ザインとリビィは頭を抱えている。
「ようは有用なアイテムをつくればいいんだろ」
「簡単にいってくれるなユーヤ......
そうだ! お前異世界の便利な道具知ってるよな!
ほら、あのスマホとかいうやつみたいな!
この世界にないやつ教えてくれよ!」
「うん! それをつくれば課題の高得点間違いなしだね!」
二人はつめよってくる。
「この世界にないものならいくらでもあるが、こんな魔法石に込められる魔力や魔法じゃ再現できないと思うぞ」
(確かにこの世界は娯楽こそ少ないけど、劇や歌を記憶して見たり聞いたりできる魔法アイテムもあるし、以外に生活上そんなに不便はないんだよなあ)
オレはそう思った。
「た、確かに、じゃあやっぱ武具とか戦闘用のアイテム作ったほうがいいよな......
でもいったいなに作ればいいんだ」
絶望的な表情をしてザインがそういった。
「そうか! ボクいいこと思いついちゃった」
「なんだよ。
リビィいいことって」
オレがそうリビィに聞くとにやっと笑っていった。
「まあ授業が終わってからね」
オレたちは授業終わりにリビィについて町外れまできた。
金属を叩く音や木材を切る音が絶え間なく聞こえている。
「こっちこっち!」
「どこまでいくんだリビィ」
「こんなとこに何があるんだ」
オレとザインはキョロキョロと周りをみながら、先をいくリビィについていく。
ここは町外れで一度もきたことがなかった。
「ここは?」
オレはザインに聞いてみた。
「ここは職人の多い地区だ。
リビィのやつ、店じゃなく職人からじかに買うつもりか?
買うとばれるぞ」
「きっとここだ! ここ」
そういってリビィは工房らしき建物を指差し、中に入っていった。
オレとザインも顔を見合わせついていった。
工房の中に入るとそこは何人かのドワーフの職人が金属を切ったり、叩いたり、宝石を加工したりしていた。
「おっ! ダンナ、いらっしゃい、よくきたな」
「ビオリムさん!?」
そこにいたのほドワーフのビオリムさんだった。
「ビオリムさんは冒険者のかたわら職人もやってたんだよ。
ボクそれを思いだしたんだ」
リビィがそういった。
「おお、俺は素材集めも兼ねて冒険者をやってるからな。
で、わざわざ今日は何の用なんだい?」
オレたちは課題のことを話した。
「ふーん、なるほどねえ。
有用なアイテム作りか......
学校の課題なら手伝うわけにはいかねえし......
取りあえずは魔法石の入手だな」
「魔法石の入手?」
「ああ、魔法石は別に何を使ってもいいんだろ。
なら、いい魔法石を手に入れるのが近道だ。
いい魔法石なら強力な魔法を道具に付与させられるからな」
「なるほど!
確かに魔法石がよければ効果はあげられるな!」
ザインがいった。
「うん! ビオリムさん!
どこかいい魔法石がとれる場所知らない?」
「本来は内緒なんだが......
ユーヤのダンナたちには世話になってるからな......
よし! とっておきの場所教えてやるよ」
そういってビオリムさんは手を叩いた。
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