第5話 戦闘
「バジリスクってあの!?
石にしてくるやつじゃないのか!」
オレがそう言うとザインは汗をかいていた。
「ああ咬まれたら一発で石になる......
この森じゃみたことない......」
「ザイン! アイツかなり速いらしいよ!
まず逃げられないよ......」
リビィがそう言った。
「もうやるしかない! リビィは援護!
ユーヤは逃げろ!」
そう言うとザインは槍を脇に挟んでバジリスクに突っ込んだ。
その瞬間姿が消えた。
「ザインが消えた!?」
「あれはザインの
ユーヤ! ここは僕たちが何とかするから!
逃げて!」
魔法の矢を射ながらリビィは言った。
「そんなわけにいくか!」
オレはそう言ってなにかできないか考える。
(なんかないか! なんかないか!
いや落ち着け......
ナイフじゃダメか......
ザインが槍で突いてるが傷すらつけられてない。
魔法! 魔法なら!
いやあれにさわる前に死ぬな......」
ザインは姿を消してバジリスクのしっぽや牙の攻撃をかわしつつ見えない槍で攻撃しているようだ。
リビィは弓に矢をつがえると魔法をまとわせ打ち出す。
(そうか!)
オレはナイフに
「ザイン横に離れてこっちに走れ!!」
その声を聞いたザインが走る音が聞こえる。
追ってくるバジリスクにオレはナイフを投げた。
そして。
「はじけろ!」
オレが集中して魔法を発動させると、ナイフが爆発しバジリスクがひるんだ。
「助かったぜ! ユーヤ!」
オレは木に触れ魔法をセットしながら逃げると、バジリスクがすごい勢いで追いかけてくる。
ドオン!! バキバキッ!!
爆破して細い木を倒し妨害するが、バジリスクは倒れた木を噛み砕いて迫ってくる。
「まずい!! 足止めもできない!」
「アイツの皮膚が固すぎて俺の槍も通じねえ!」
「矢も弾かれるよ!」
(皮膚が固いなら......
いやだめだ間に合わない! 追い付かれる!)
その時声が聞こえる。
「そこどきなさい! ウィンドストーム!!」
オレたちが言われたとおり横に飛ぶと、風の渦がバジリスクを押している。
その魔法を使ったのは昨日のエルフの少女だった。
「リビィ矢を貸せ!」
オレは矢に
「アイツが口を開けたら打ち込んでくれ!」
「え!?」
そう言うとバジリスクに向かっていった。
そして、エルフの少女に叫ぶ。
「オレにさっきの風の魔法を!」
バジリスクはオレに大きな口を開け向かってくきた。
「う、嘘!? ば、バカじゃないの!!」
そう言ってエルフの少女は魔法を使った。
風に押されオレは空に飛ばされた。
そして、放たれたリビィの矢が、オレを噛もうとしたバジリスクの口に入ったのが空から見えた。
「いまだ!」
オレは中に入った矢を爆発させると、一瞬バジリスクの体が膨らみ、その後バジリスクは地面に倒れ動かなくなった。
そしてオレは肩から地面に落ちた。
「いたたっ! 落ちることを考えてなかった......」
三人が駆け寄ってくる。
「やった! バジリスクをやったぞ! すげー!」
「大丈夫! ユーヤ!」
「ああ、なんとかな......
でも肩が......」
「ちょっと見せなさい!」
エルフの少女はオレのはれた肩に手をかざす。
そして呪文を唱えると、痛みが消えてはれも引いてきた。
「これは回復魔法か......」
「これでいいわ」
そう言うとエルフの少女はオレを睨んでいった。
「バカなの! バジリスクに突っ込むなんて死ぬところよ!」
「ごめん......
あとありがとう。
昨日に続いてまた助けてもらって」
「べ、別に......
たまたま通りかかっただけよ」
そう言うと立ち上がりなにも言わず去っていった。
「あれか......昨日言ってたエルフって」
「あの子かなり高度な魔法を使うね」
「ああ、しまった!
名前聞いとくんだったな」
オレが言う。
「そんなことよりバジリスクだ!
こりゃ高く売れるぜ!」
「うん! ボムボム亭のパンいっぱい買える!」
二人は小躍りしてバジリスクを見ている。
オレたちはバジリスクをひきずってギルドまで帰った。
ギルドにはいると周囲がざわざわしだした。
「おいおい! まさかあれバジリスクか!?」
「あんなガキどもが狩ったのかよ!」
「スゲーな始めてみたぜ!」
「いつも薬草とってるやつらだったっけ?
あいつら強かったのか......」
そう言われて二人は胸を張り恍惚の表情をしている。
「うー気持ちいいぜー!」
「うん! こんな注目されるのボク始めて!」
「さっさと帰ろう。
今日は疲れた......」
喜ぶ二人を見ながらオレは疲れてそう言った。
受付にバジリスクを買い取ってもらい、銀貨を袋一杯受け取ったザインとリビィはニンマリしている。
(あの子にも渡さないとな......)
喜ぶ二人を見ながらオレはそう思っていた。
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