第12話・オークのお肉と直感

 オークの肉多過ぎです。

 僕が倒したオークは全部で3匹だ。オークは1匹で体重が100キロ以上ある巨体だ。

 それを食べれるわけがないスキル食い溜めを獲得したとはいえ、食べれたのはせいぜいオーク1匹の半分にも満たない肉だけ。それでもよく食べれたと思う。


 というわけで、乾燥肉にして持って帰ろうと思い、全部乾燥肉にしたが。乾燥肉にしても相当な量があった。大体100キロくらいありそうな量あった。

 うん、持って帰れるわけがない。多すぎる。いや持てないことはないかもしれないが、重いから移動速度がかなり下がる。ついでに言えば持ってる最中に魔物に襲われたら捨てなければならない。


 うん。どうしようか。


 よし決めた。放置でいいや。僕の目的は強くなることだ。強くなってあの銀狼に勝つことだ。今現在僕の拠点には狼の乾燥肉がまだまだたくさんあるし。味はオーク肉の方がいいけど。それにこだわって強くなる為の効率を落とすのは何か違う気がする。

 というわけで、次の魔物を探していきますか。


「さあ、僕が強くなるための糧を探しましょう」


 木の上に登って、木を渡りながら次の魔物を探していく。

 そうして5分程でゴブリン5体という良さげな魔物を発見する。


「じゃあ正面から戦っていきますか」

 僕は木の上でそう言ってから、ジャンプして木の上から飛び降りる。


「グギャ?」

 僕を発見したゴブリンが素っ頓狂で気味の悪い声を上げてから、襲いかかって来る。

 僕はそれを簡単に躱して殴った。


 僕の拳はゴブリンをいとも簡単に吹き飛ばし、後ろにいたゴブリン4体を巻き込んで盛大に吹っ飛び木に激突して死んだ。


「あれ?ゴブリンってこんなに弱いんだっけ?師匠の話だと1匹は子供くらいしか力はないけど数が揃うと連携を取って狼以上に厄介な魔物って教わったはずだけど。あ、待てよ。落ち着いて考えれば狼以上に厄介な魔物言うてもあくまで集団になればの話だし。何十という狼の集団に駆った僕が負けるはずないじゃないか。ゴブリンと戦うなら上位種、もしくはもっと数がいないとダメかな、よし。じゃあゴブリンの集落でも探して行ってみるか行ってみるか。そしてそこで大量のスキルを獲得してやろう。そうと決まれば魔物と戦いながらゴブリンの集落を探しをしていきますか」


 ――――――――――――――――――


 そんなわけで30分程。オークやらゴブリンやらと戦いつつ森の中にあるであろうゴブリンの集落を探していたら。いとも簡単にゴブリンの集落を見つけた。思った以上に早く見つかった自分でも軽く驚いている。

 なんかこう見つける時にここら辺にあるっている予感がしたんだよね。いやはや僕の予感、というか直感凄いな。


 ピコン

 スキル【直感】を獲得しました。

 副次効果として器用が10上昇します。


 というわけでありがたいことにスキルを獲得した。

 戦闘中でないスキル獲得に少し驚きはしたが、非常に便利そうなスキルなんで結構嬉しい。

 さて、話を戻してゴブリンの集落何だが、思った以上に規模が大きかった。

 ゴブリンの数は100は確実に超えていて。簡易的な柵みたいなの物で集落全体を覆っていて、木と草で出来た少々ボロそうだが、しっかりと立っている家のような物が20程あった。

 集落内には明らかに普通のゴブリンよりも大きいゴブリンが何匹いや何体もいて、中には魔法使いのようなローブを羽織って杖を持った異質なゴブリンもいた。


 流石に今の僕が挑んだら殺される。そう獲得したばかりのスキル直感が鳴り響いた。

 でも。銀狼ならばこのゴブリンを一瞬で瞬殺出来るそんな気もした。そして僕は1年後にそんな恐ろしい銀狼に勝たなければならない。じゃあ。このゴブリンに臆してどうするんだ。今の僕が挑んだら殺されるという直感は多分当たってると思う。


 でも、今の僕だ。ゴブリンの集落にたった一人で戦いを仕掛けてゴブリンを倒していき新たなスキルを獲得した僕ではない。


「さあ、だからチャレンジしよう。ゴブリン共よ僕が強くなるための糧となれ」

 僕は一人そう呟いて、ゴブリンの集落に堂々と走って突っ込んだ。


 ――――――――――――――――――

 補足説明

 ゴブリンについて。

 ゴブリン単体では子供と変わらない強さしかなく知能もほとんどない、1対1の場合は成人男性であれば簡単に倒せる弱い相手。しかし。基本的に集団で行動しており、5匹も揃えばその連携も相まって普通の成人男性では簡単にリンチにされて殺されてしまる程の凶暴な存在となる。

 その上、ゴブリンの上位種ともなると狼を従えて上に乗るゴブリンライダーや。オーク並の力を持ったホブゴブリン、魔法を使うメイジゴブリン等の驚異的な魔物となる。


 また、ゴブリンの上位種は知能が高く。ゴブリンをまとめ上げて。ゴブリンの連携能力を高める厄介な力も持つ。

 そうしてゴブリンの上位種が集まっていくと、周囲のゴブリンを従えて集落を作るようになる。

 集落が作られると、ゴブリンは安定した寝床に食料に武器を獲得出来るようになり。より数を増やし。上位種も生まれやすくなる。

 100以上のゴブリンが集まった集落の危険度はB+ランクとされCランク以上の冒険者が10人以上で討伐に挑まなければ勝たない。恐るべき存在となる。

 個人で討伐するにはランクAが必要である。


 ゴブリン単体ランクF

 ゴブリン複数体ランクD

 ゴブリン上位種ランクC以上


 ―――――――――――――――――――――

 スキル説明

【直感】・・・レベル×一定回数以上、自分の直感を明確に的中させると獲得できる補助系統スキル。

 直感が当たりやすくなる。

 副次効果として器用が10上昇する。

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