第7話・スキルの力は偉大なり
「さて。スキルを獲得すると決めたはいいけど、どうやってスキルを獲得していこうか。やっぱり実践が一番かな?そうなると獲得出来そうなのは戦闘系のスキルだ。でも今手持ちに剣や盾になりそうな武器はないから。武器系統のスキルを獲得するのは難しそうだ。じゃあ。どうしようか?」
・・・暫く考えてみる。・・・
「よし決めた。取り敢えず狼と何も持たずに素手で戦ってみよう。素手で戦ってみれば格闘スキルや筋力増加系統のスキルを獲得することが出来るやろ。何、僕にはスキル再生に気配察知に体力上昇、更には上級投擲がある。基本的に負けることはないと思う。更に言えば最悪逃げ足のスキルを使って逃げることもできる。うん完璧だ。よしやるぞ。頑張るぞエイエイオー」
そうと決まれば即行動ということで僕は気配察知を使いながら狼を探し始める。
探すこと5分
ありがたいことに一匹でうろついている狼を見つけた。
気配察知を使い軽く周りを確認したが特に他の魔物の気配は感じられない。
だから、拳をしっかりと握り狼の前に立った。
「グルグルグルグル」
狼は聞きなれた唸り声をあげながら僕に牙をむき出しにしながら襲い掛かってくる。
僕はそれを回避のスキルを使い華麗にかわしながら。ぐっと握った右拳で狼の顎を打ち抜く。
「ガウ」
狼が素っ頓狂な唸り声をあげて、飛んでく。
そしてそのまま数メートル程空を飛び木に激突して動かなくなった。
・・・・・・・
「まさかの一撃。え?あの狼を僕がたった一発殴っただけで死んだ?これは?まさか上級投擲を獲得したことによる副次効果で得た攻撃力のおかげかな。確かに一番最初の時と比べると僕の攻撃力は140と実に14倍まで上がってるいるし。納得は出来るな。ハハハハハハハ。いいね僕は強くなってるね。あれだけ強くてあれだけ恐ろしかった狼を一撃で倒せるくらい強くなっている。これなら、今まで怖くて手が出せなかったオークと戦えるんじゃないか?」
一人森の中で笑ってから。ふと冷静になって考えてみる。
「いや。やめておこう。少し落ち着いて考えたが危険な橋はわたりたくない。命は一つしかないんだ。死んだらそれで終わりだ。自分の命をベットに格上の敵と戦うなんて嫌だ。怖い。死にたくない。だから安全を確保しつつ狼と戦って戦ってスキルを獲得していこう。よし、そうと決まれば取り敢えずこの狼を解体するか。狼は貴重な肉だ。ステータスが上がったのかスキルを獲得していったからなのかは分からないが最近お腹が減ってしょうがないしね」
そんなわけで狼の牙を抜き取りかなり慣れた手つきで狼の皮を剥いで肉を切り取っていく。
そして一部を皮で包み。残りを集めて手をかざし魔法を唱える。
「水魔法・脱水」
その瞬間狼の肉の水分が一瞬で僕の手の所に集まり、地面に落ちる。
「うん。完璧な乾燥肉だ。これで大分日持ちするだろう。取り敢えず拠点に持って帰ろう」
僕はそう呟いて狼の肉を持って川の近くの木の上に作り上げた拠点に戻った。
拠点。
どんな場所かというと。物凄い簡単に言えば簡易ベットの集合体だ。
僕は頑丈な枝に簡易ベットを作った。それは僕の重さに耐えれように。僕の重さに耐え切れずに枝が落ちて木の上から落ちない様にという考えの元、頑丈な枝の上に作った。
でまあ、別にそこまで頑丈な枝じゃなくても簡易ベットは作ろうと思えば作れる。
そして作ったうえで、そこを乾燥肉や薬草に牙や毛布、そして狼から極稀に出てくる魔石という、師匠曰く高く買い取ってもらえるラッキーアイテムを保存する場所として活用することは出来る。まあ、乾燥肉や薬草、その他諸々はそこまで重量あるわけじゃないし。万が一落ちたとしても拾えばいいだけだからな。何の問題もない。
そんなわけでサクッと拠点に戻り牙に毛布に乾燥肉を置いたら、狼と戦うためにまた気配察知を使い狼探しを再開させた。
そうして僕は1週間程一人でうろついている狼と素手で殺しあうというのをやったが。スキルを獲得することは出来なかった。
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