第3話 黄色いFiatでデート

「マント、ちょっと話しがあるんだ」


「なんだよ?おまえにはかしがあるからな」


「それは忘れていない。凄く感謝してるんだ


「感謝?おまえ?まさか?彼女と?」


「まだ、そんな関係じゃないよ!」


「話しというのはさ、捲きたい車があるんだよ」


「おまえ何やらかしたんだよ?」


「まだ、何もやらかしていないんだ!今からやらかすんだよ!」


「あ~そうか。高いぞ、それは!」


「わかってる。おもえの言い値でいいよ」


「本当か?」


「そのかわり僕のフェラ―リに乗ってもらうから擦ったら修理代はもってくれ」


「ちょっと待てよ!おまえフェラ―リにのってんるの?ふざけた野郎だぜ。うんとはずんでもらうからな!」


「わかったよ。それでやってもらいたいのがさ……」




(逃げも隠れもしない……)

正門に真っ赤なフェラ―リで乗り付けた。


ホスタ―は少し恥ずかしそうだった。

人目は引いた。それが目的だった。


「今日は少しはましな話しをしようね!」


「うん。でも危険なことはやめてね!」


「当然だよ。彼らも任務でやっているだけだから。護衛のプロだからね」


「今日はね、広いバイキングに行こうと思ってるんだ。そっちのほうが護衛しやすいのかなとか思って……」


「あぁ なるほどね」


「椅子はあるから!」


「なんかそれずっと言われそう!」


「君の貧血がなければ今日はないよ!」


「本当だわ」


「君との時間を誰にも邪魔されたくない」


「え??」


「車を降りる準備をして頂戴、黄色いFiatが見えた!降りて……」


「マント、あとはこのフェラ―リで頼む」


「OK.楽しめよ!」


「この黄色いFiatでドライブの続きです。相手を騙すにはまず味方から……」


「あの方は大丈夫?」


「あいつはマント。大丈夫だからやってもらったのさ」


「うちとおたくのSP捲けたの?」


「多分、大丈夫。ダメでもともと。」


「もう~無茶するね!」


「そうです。無茶します。SPが来たらすぐわかると思うのでお詫びに行きます。だからSPがくるまでの限られた時間を大切にしよう。僕も悪いことしてるとの自覚はあるから……」


「なんか……ありがとう。私のためにしてくれたんだもんね」


 ふたりの生まれたての愛が2つの大国を大きく揺さぶり始めた。

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