第2話

 「まずはターゲットの情報を得ることから始めよう。情報屋には男と男の愛人の素性を調べるようお願いしてくれ。」私は部下にそう伝えた。「分かりました。その間我々はどうしますか?」部下はそう私に尋ねた。「とりあえずは情報が集まるまで待とう。大丈夫、既に作戦は思いついている。もし情報が入ったら私に連絡してくれ。」そう言って私は自分の家に戻った。1週間も経たないうちに部下から連絡が届いた。事務所につくと情報屋が待っていた。「男と男の恋人の情報、集まりました。」情報屋は私の姿を見てそう言った。「いつもながら仕事が速いですね。ありがとうございます。では報酬の50万です。」私は彼にそう言いながら依頼者からもらった300万の中から50万を渡した。「それと毎度釘を刺すようで申し訳ないですが、このことは絶対に他言無用でお願いします。」私はしっかりと目を見て伝えた。「分かってますよ。それが僕のうりなんでね。」自信満々に言っている彼を見て前と特に変わりないことを確認し、安心した。「また何かあったらいつでも呼んで下さい。では、失礼します。」そう言い残して情報屋は去っていった。

 「ボス、これからどうするつもりですか?」部下が尋ねた。「まずはこいつの愛人とやらに接触する。まぁ見てろって。」私には部下が何人かいるが、みんな私の作戦を信じている。だからこそ作戦については余計な詮索はせず、私が答えないなら答えないで納得してくれている。「こっから先は基本的に私一人で動く。私が連絡しない限りは原則そちらから連絡せず、ことが終わるまで待っていてくれ。」私は部下に伝えた。「分かりました。他の奴らにも伝えておきます。」部下は答えた。「ありがとう、任せたよ。」私は部下に感謝を伝え部屋を後にした。

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