ヘルナ ルナへ ナヘル
「ここに業火の魔女ヘルナ・アーカイブの
死刑を王帝の元に宣言する!」
王帝の目の前で行われる裁判の決定は絶対に覆る事はない。
慈悲もなくふんぞり返って死刑が確定した私には一切興味がないようだった。
そんな私も涙が流れることは無い。
死刑を宣告された私の目にはただ闇と炎が宿っているだけだった…
そしてちょうど400年後にある古代の遺跡が発見された。
「何故だ。何故遺跡全体がガラス化しているのだ。それにこの巨大な龍のガラス細工の周りに散らばっているのも黒焦げで鑑定なんて出来やしな、ん?なんと!遺体が完全な保存状態で石棺に入っているんだ!しかも完全に溶けて閉じ込められている。ここが爆心地なのか?」
その遺体の近くに巻物があり、そこに書いてあった最初の一文を読むさそこにはこう記されていた。
1622.4.12業火の魔女
ヘルナ・アーカイブ火炙りの刑執行予定。
「これはまさか絶滅した魔女の遺体なのか?」
400年前...
「おい、あれが業火の魔女なのか?まだどう見ても15ぐらいの女の子じゃ無いか。」
「おいおい、何言ってんだよ。あの燃えたぎる目の火を見てみろ。100人の魂を吸った魔力だけがああやって目から視覚化出来るんだぞ」
「それにあいつ首切りをしようとしたらその熱で刃が溶けて殺せなかったらしいぞ。」
「と言うかそんな火の魔女に火炙りが効くのか?」
「なんか魔女様には一ヶ月に一回ただの一般人ぐらいになる日があるらしいぜ」
そんな沢山の声が周りから聞こえて来る。
「手を上に上げろ。」
兵士に命令されて私は大人しく手を上げる。
私の手は立てられた丸太にくくりつけられる。足元には燃やす用の油と木が山積みにされている。
「何か言い残す事はあるか?」
「無い。さっさと殺せ。」
すると私の左側にいた奴が叫んだ。
「今時点をもってヘルナ・アーカイブの処刑を開始する!」
「「うぉぉぉおおおお!」」
みんなが叫び出した。足元に火がつけられる
油をかけられた私の身体は凄い勢いで燃え広がる。
「アァァッ!アガァァァ!」
私はもがくが逃げる事は出来ない。
何で、何で私がこんな事に。何でこんな演技をする羽目に…面倒臭い。
そろそろか、合図も出た。
ピィィィィ!私は口笛を鳴らした瞬間膨大な熱線が半円状にが広がっていた。
周りにいた人間は跡形もなくチリとなり建物は溶けたガラスになった。
「わーお!相変わらず威力えぐいなぁ。」
「キノモ、あんたね!捕まってこいって言われて本当に突き出すとかおかしいでしょ!
飯もろくに食えてないのよ!本当最悪よ!」
「そうカッカなさらずに。」
「そう言う所がムカつくのよ」
と私は巨大な炎を浴びせるが彼にはホコリ一つつかない。
「僕のバリアには勝てないのにやめときなよ」
「あっそ、もうあんたにやるだけ無駄ね。
しっかしあいつらもアホね。魔法が使えなくなる日があるって嘘にあんなに簡単に引っ掛かるとは思ってなかったわ。」
「まあ、これできてくれるといいな。」
「この国の聖樹に住む彗星龍ギガンテス
本当にいるのかしら?」
「この国に危機が起こった際この噴水に訪れると言われている伝説の生き物かぁ!
神の一族の団長を瀕死にさせる相手だし、そんなのこの国にそれぐらいしか居ないだろ。」
「まあね。で、ギガンテスの角のかけらだけを使っただけで死者蘇生が成功した例もある。団長を治すにはそれぐらいしか無いものね」
急に空が暗くなる。
「そうだな。じゃあこいつはさっさと殺すしか無いな。」
「思ってたよりやばそうじゃない?」
「…やばいな」
私たちが見上げた先は100メートルは有にあるだろう巨大な龍は青い美しい身体に鱗が反射して星のようにも見える。まさに彗星の名を冠するに相応しい姿だ。そして美しいツノは七色に光って見えた。
「伝説だろうが殺してやるわよ。」
最高火力を一点に集中させ打ち込む。ぎゃぁぉぉおと叫び声が響き渡り龍は落ちて来る。
龍は口を開き火を放つ。
私の炎が比にならないレベルの威力だ。
しかし全てキノモのバリアによって弾かれる。
「これはねこう言う応用が出来るんだよ。」
彼はバリアで封じ込めた火を龍に投げつける。
瞬間その炎は急激に膨張しその膨大な熱で龍をガラス化する事に成功した。
グォォォォォ!龍の断末魔が広がる。
「やったわね。伝説もこんなもんよ。」
「いや、君が3日かけていれた炎で威力おんなじぐらいよ。僕のバリアも完全防御なのに熱がこっちまできてたし。っておい!」
私はそんな事は聞いておらず。すでにツノを削り出していた。
「もうすぐに団長の所に持って行くわよ。」
「相変わらずせっかちなんだから分かったよ
急ごう。」
その後彼女達が復活させた団長はかつて世界最強と呼ばれた大海賊フランシス・ドレークだった。
その後彼女達は復活させたのちにそれぞれひっそりと息を引き取った。私達の主人の
ヘルナ・アーカイブは死後に魔術の暴発が起こることを防ぐべくガラスの棺に入りそのまま息を引き取った。
「すごい。まさか、こんな神話のような話が出て来るなんて。」
その後この遺跡は世界的に知られる事となり
魔女と呼ばれた彼女の眠っているガラスの棺は奇跡が生んだ奇跡として呼ばれている。
しかし、彼は知らなかった。今も目が紅く染まる子供が生まれた事を
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