第一話:魔剣テレポとディノス狩り

雪山スタート~白い光に包まれて~

 出会いの発端は、だいごろうのうどんだった。

 彼の店で振る舞われたうどんをきっかけに彼らは意気投合し、やがて冒険者パーティを結成することとなった。

 そうして彼らは、ムーエストのとある冒険者ギルドの門を叩いた。


GM 美味しいうどんで意気投合した皆さんは、ムーエストにある『くつろぎのフーベルトゥス』という名前のギルドに所属することになりました。もしくは、もう所属している人がいるかもしれません。

 ここは中堅くらいのギルドでして、高レベルの冒険者は所属していないものの、ある程度の成果を納めているような、そこそこ有名なギルドです。

 ギルドのトップ、ギルドマスターはジョン・J・スタンフォードという、人間の中年男性です。


ガルシア ジャン・ピエール……


GM スタ〇ドは使えないので(笑)。で、みんなこのギルドの中でテーブルに座って、「どういう仕事を受けるか」とか談笑している所なんじゃないかなーと思います。そんな皆さんのところに、マスターのジョンが近づいてきます。


ガルシア/ジョン 「俺にもうどんくれよ!」

一同 (笑)!

GM びっくりした(笑)

フェン 食べたかったんだろ?(笑)


GM/ジョン 「いや、そりゃだいごろうの所のうどんは美味いって聞くけどよ。まあ、パーティ結成おめでとさん。せいぜい死なない程度に頑張ってくれや」と煙草ふかしながら言ってきます。

「ウチにはノルマみたいなもんはないから、好きな時に好きなだけ働いてってくれ」


 さて、お前らに丁度いい依頼は……ジョンがそう呟いて依頼を見繕おうとした時、ギルドの扉が音を立てて勢いよく開く。

 そちらを見ると、鞘に納められた剣を胸に抱きかかえた、ひとりの少女が立っていた。少女はギルドを見回すと、誰かを見つけたようにPC達が座るテーブルに駆け寄ってくる。


GM ちなみに、フェンは彼女の顔に何となく見覚えがあるかもしれません。

フェン (何かを察したように)誰だよ泣かしたの。


GM そんな彼女ですが、皆さんの方というよりかは、どちらかというとジョンの方に向かって走って来てるような感じですね。

 女の子は「ジョンさん大変です!」と言って駆け寄って来るのですが……何もないところで思いっきり躓いて、そのまま皆さんのテーブルに思いっきり突っ込んできます。


ガルシア うどんが~!俺のうどんが~!(←みんなで食べてたらしい)

カル こぼれていく(笑)

ガルシア 熱すぎ、かかったんだけど!!

だいごろう なんてことしてくれんだい!


GM はい(笑)。女の子が抱えていた剣ごと突っ込んでくるわけですけども、その時に辺りがとても眩しい光に包まれて、皆さんの視界を奪います!


ガルシア うおっ眩しっ!

フェン まだ食べ終わってないのに……うっ目がっ!


 その光の中で彼らが感じたのは、宙に舞ううどんの麺と汁。そして何故か急に感じる、凍えるほどの寒さ。次に目を開けた時に飛び込んできた光景は、辺り一面に広がる銀世界だった。

 そう、彼らは一瞬にして、見知らぬ土地へと迷い込んだのだ。


ガルシア はっ!?

フェン 寒くない?それは。

みつば ポンチョ着てて良かったわ。


GM 辺りにいるのは皆さん五人組と、近くにいたギルドマスターのジョン、後は突っ込んできた女の子ですね。


みつば ジョンも飛ばされてる(笑)。


GM 吹雪とはいかないまでも雪が降っていて、防寒着を持っていない人は身体がかじかんで上手く動けないんじゃないかな、というところです。具体的に言うと、全ての行動判定に対して常に-1のペナルティがかかります。


みつば わあ……。

ガルシア マジか……結構ヤバいな。


 本来であれば-2程度でも良いだろうが、今回は初心者が複数いるためこの数値としている。


GM 凍え死ぬほどではないので、その辺は安心してもらえると。突然のことに、ジョンと女の子も困惑を隠せない様子です。

「おいおい、とんでもねえものに巻き込まれたな……」

「あわわわわ……寒い……なんでこんなところに……」


ガルシア (少女に)お前がやったんやろがい!

フェン (同じく)お前が元凶だろ!


GM さて、いきなり変なところに飛ばされてびっくりしているところ申し訳ないんですけども……皆さん、危険感知判定を行ってください。


 ここで初の判定が入る。危険感知判定は、PC達に迫る危険に気付けるかどうかを試す判定だ。

 これについても初の判定ということで、目標値は低めに設定している。


だいごろう (ころころ)10だ。


GM 今回の目標値が9だったので成功です。皆さんは、こちらに迫ってくる狼の群れに気が付きます。


ガルシア 俺の仲間じゃね?(一同笑)


GM あなた四足歩行じゃないでしょ(笑)。五匹くらいの狼がこちらに走って来るのが見えます。


フェン 一人一匹でモフれるじゃん!

GM めっちゃ牙とか敵意むき出しなんだけど(笑)。

フェン 頑張ればいけるいける!

GM いけないよ!?(一同笑!)


 そんな呑気なことを言っていられるのも束の間。PC達は自分の身を守るために戦闘態勢に入る。

 誰もセージ技能を持っていなかったことが判明したものの、魔物知識判定にはみつばの6ゾロにより成功。狼の正体は雪山に生息するウルフだということが分かった。

 

フェン レベル1なら行けるんじゃない?

GM と思うじゃん?今あなたたち、寒さのせいで行動判定-1だからね。

ガルシア でもウルフとて同じことではないのだろうか!

GM いや、こいつらは寒冷地仕様だからペナルティはないよ。

ガルシア 強すぎ~!


 とはいえ、PC達へのペナルティを加味してのキャスティングである。もともと格下の魔物であるため、割と拮抗した戦闘を演じてくれるはずだ。

 先制はPC達が奪取。パーティ内にプリーストが二人いることを活かし、前衛後衛に分かれた状態で布陣した。それに対し、ウルフの群れは全員前衛エリアに配置。初戦闘の火蓋が切って落とされた。

前衛:ガルシア、だいごろう、フェン

後衛:カル、みつば


フェン じゃ、まずは前衛に【フィールド・プロテクション】掛けるか。(ころころ)掛かった。


 ちなみに誰も気づいていなかったのだが、本来は前衛でスタートしたフェンは初手で魔法が使えない。このミスに気付いて修正をするのは第二話まで待つこととなる。


ガルシア とりま殴るか!ウルフAに対して攻撃するぜ!

フェン ミンチにしてやれ!

だいごろう やっちまえ!


ガルシア (ころころ)12だな。

GM ペナルティあるのに当たってる……(←回避などは固定値)。

ガルシア (ころころ)クリティカル!15点!


 この攻撃でウルフAが速攻撃沈。ワンショットだと……。


ガルシア そこら辺の野良シバき倒してレベル上げた男やぞ、強いに決まっとろう。

だいごろう じゃあBに攻撃で!(ころころ)


 しかし、この攻撃は当たらず。前衛の行動が終了し、後衛組の行動に移る。


カル Bに攻撃します。【ソリッド・バレット】で(ころころ)当たりました!

GM 命中力高い……

カル (ころころ)ダメージは11点?

GM ガンによる攻撃は防護点無効なので、全部ダメージ貰います!残り1点、惜しい。


みつば 味方に当たるかもしれないけど、【エネルギー・ボルト】で!(←《ターゲッティング》未習得)

GM 味方ごと魔法を撃つのは伝統なんで(一同笑)。

みつば あーでも温存した方がいいのかな……傷ついたら癒すので、みんな耐えてもらっていい?様子見するね。


 非常に残念である(笑)。

 ここからはウルフの行動。とはいえ特殊能力もなく、ペナルティ込みとはいえ所詮は格下。PC達の出目が良かったこともあり、一撃も加えられずに終了。


だいごろう うどんの力だ!

フェン うどんを神聖視しすぎでは?(笑)


 2ターン目、ガルシアの拳と攻撃に参加したフェンによりウルフCが轟沈。だいごろうが瀕死のBを狙うも、またしても外れ。そのあとカルがきっちりとどめを刺した。

 そして……。


みつば 【エネルギー・ボルト】行きますかね!

GM オッケーです(笑)。まずは誤射をするかどうかの判定からですね。前線エリアに五人いるので、1d5振って誰に当たるかを決めましょう!


 ここについても、実は行使判定から先だったのだが誰も気づいていない。申し訳ない……。

 ということで、ロシアンルーレット開幕。しかも味方に当たる確率の方が高いという状況。

 果たしてダイスの結果は……。


みつば (ころころ)ウルフEに!

一同 おおおおお!

ガルシア ないすぅ!

みつば (ころころ)達成値15で(ころころ)ダメージ10点!

フェン 俺らに当たってたらヤバかったな(笑)。

みつば ダメージ与えて私が回復するんでしょ(笑)。

GM それなんて拷問ですか(笑)。


 これによりウルフEも瀕死に。最後の足掻きと残ったウルフが攻撃を行うものの、フェンの高い回避力の前には暖簾に腕押し。

 そして迎えた3ターン目。


ガルシア ウルフDに粉砕パンチ!(ころころ)9点!

フェン Dを〈クォータースタッフ〉で(ころころ)5点、ぴったり撲殺!

だいごろう とどめは任せてくれよ。(ころころ)Eに12点!

GM ウルフE、-9点。一番のオーバーキルです(笑)。


 前衛三人の怒涛の攻撃により、ウルフの群れは全滅したのだった。


NEXT→地味に迷惑な魔剣代表

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る