プロローグ

登場人物紹介

 物語のはじまり


 三本の剣によって創造された異世界、ラクシア。その中の一大陸、アルフレイム大陸。大陸南西部に位置するブルライト地方が、今回の冒険の舞台となる。

 『導きの港』ハ―ヴェス王国に属する街、ファーヴェルト平原を臨む中規模都市ムーエストから、物語は始まる。

 彼らはこの地で冒険者となることを決意した者たちだ。

 その志は様々である。既に冒険者としての第一歩を踏み出した者もいれば、ここに来るまでに修羅場を潜り抜けた者もいるだろう。

 そんな彼らは、何の因果かこのムーエストの地で出会い、パーティを組むこととなった。

 これから紡がれていく物語の主人公たる五人の冒険者。まずは彼らの人となりを紹介していこう。


  ガルシア、リカントの拳闘士


 彼の名はガルシア。勇敢なるリカントの青年だ。

 彼は、悪夢に苦しめられている。謎の集団に囚われ、身動きもできず責め苦を受ける夢だ。それを克服するため、力強く、最強になるために冒険に出たのだ。

 人族の居住領域外に闊歩する魔物を片端から倒して回り、やがてムーエストに辿り着いた。そこで出会った他の冒険者たちと意気投合し、自らも冒険者となることを決意した。

 一人旅を経て成長した彼は、目にも止まらぬ拳闘の技でパーティの矛となる。


  みつば、エルフの魔術師


 みつばは、成人を迎えたばかりの若いエルフの女性だ。

 彼女の生まれ故郷の集落では、「成人した者は旅に出る」という習わしがある。その目的は、この広い世界を知るためだ。

 彼女もその例に漏れず、成人後に旅に出た。親から餞別として渡されたサークレットを身につけて。

 エルフは身体が強い種族ではないため、ムーエストに辿り着くまでは他の旅人と共に過ごしてきた。その彼らと別れ、彼女はまた新しい仲間と出会う。

 真語魔術師であり、またライフォス神官でもある彼女は、後方支援担当として仲間たちを支えていく。


  フェン、エルフの剣士


 彼は名をフェン・イグラスカという。エルフには珍しい、赤い髪をもつ青年だ。

 元々は裕福な家に生まれた彼だったが、ある日突然、悲劇に襲われた。故郷が一夜にして滅ぼされたのだ。

 辛うじて命を繋いだ彼だったが、かつての豊かさはもはやない。日々を生きていくために選んだ仕事が、冒険者だった。

 魔導機師でもない彼がマギスフィアを身につけているのは、その過去に由来している。たまたま滅びの夜に居合わせたルーンフォークに、誓いと共に譲り渡されたものだ。

 その誓いの内容を知るのは、彼ら二人のみ。それを果たせるかどうかは、まだ誰にも分らない。

 月神シーンの加護を受け、軽戦士として華麗に戦場を舞うその姿は、仲間たちを鼓舞するだろう。


 だいごろう、ナイトメアの戦士


 アルフレイム大陸では珍しい料理、うどん。ムーエストで唯一それを提供する料理店の息子、それがだいごろうだ。

 だいごろうの父は、彼が十八歳を迎える頃に病で倒れた。

 父が大切にしてきたうどん屋を守り、なおかつ父の治療費を稼ぐには、うどん屋の経営だけではとてもではないが足りない。必要に迫られ、彼は冒険者の道を選んだ。

 目指すは一攫千金。全ては父を救うため。

 自慢の筋肉で斧を振るい、敵をなぎ倒す。その圧倒的な火力を生み出したのは、幼いころから仕込まれたうどん作りによるものであるなど、彼と対峙した者には知る由もない。


  カル、ルーンフォークの銃士


 カル・マーブルと名付けられた彼女は、生まれて僅か五年の若いルーンフォークだ。

 まだ見ぬ世界を見るために冒険へと出た彼女だったが、ある一定期間の記憶が白紙のページのように抜け落ちている。

 ルーンフォークは命を落として蘇生をした場合、一年間の記憶がなくなるという。だが、彼女がそのような過去を持っているかどうか、把握しているものは誰もいない。

 ただ生まれた時よりも確実に成長している自分自身の身体だけが、過去に何かがあったということを覚えているのみだ。

 黒いマスクで顔を隠した彼女は、パーティの後方から敵を撃ち抜く。強力な武器であるガンを背負い、パーティの道を切り拓いて行く。


 GMくろひび、物語の水先案内人


 最後に、私自身の紹介をさせていただこう。

 名前はくろひび。しがないTRPGプレイヤーだ。普段は音楽活動を行ったりしている。

 学生時代にTRPGと出会って以来、GMを中心にプレイを続けてきた。ここ数年はTRPGから離れていたが、この度本卓の成立と共に復活を果たした。

 自らの手でシナリオを書き、プレイヤー達に楽しんでもらうことを至上の喜びとしている。また、セッションの記録をリプレイとして残し、色んな方に楽しんで頂くのも非常に好きだ。

 彼ら五名の冒険者が出会い、どのような冒険に挑んでいくのか。その一端を皆さんにお伝えすることが出来れば幸いである。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る