【巻四  曹髦】最為鄙劣

「最悪にクソ!」



世語曰:大將軍奉天子征儉,至項;儉既破,天子先還。


臣松之

檢諸書都無此事,至諸葛誕反,司馬文王始挾太后及帝與俱行耳。故發詔引漢二祖及明帝親征以為前比,知明帝已後始有此行也。案張璠、虞溥、郭頒皆晉之令史,璠、頒出為官長,溥,鄱陽內史。璠撰後漢紀,雖似未成,辭藻可觀。溥著江表傳,亦粗有條貫。惟頒撰魏晉世語,,以時有異事,故頗行於世。干寶、孫盛等多采其言以為晉書,其中虛錯如此者,往往而有之。


(漢籍電子文献資料庫三國志 133頁 ちくま1-321 罵詈雑言)



○解説

 国内で司馬師しばし司馬昭しばしょうの権勢がどんどん高まる中、毋丘倹かんきゅうけんの乱が勃発。ここで郭頒かくはんが『魏晋世語ぎしんせいご』にて司馬師が曹髦そうぼうを奉戴、討伐に赴いたけれど、到着した頃にすでに乱は平定されていた、なので曹髦だけが先に帰還しました、と記しました。

 さぁ、噛みつきます裴松之先生。こんなデタラメどこにも書いてねーよとぶった切ったのち、それにしたって張璠ちょうはん虞溥ぐほ、郭頒と言った西晋せいしんの時代の歴史著述者どもはとにかくアレ、とは言え張璠、虞溥はまだマシ! 郭頒ひとりが! だのに耳を引くゴシップがあるから広く読まれてるんだよねー。しかも何がタチ悪いって、東晋とうしん干寶かんぽう孫盛そんせいが郭頒のこのクソブックに取材するから、トンデモネートバし記事を平然と書いちゃうわけさ! と、全方面に向けてぶん殴っておられます。



○皆様からのコメント

・遊牧民@候選様

司馬温公や清代の考証学徒だってもうちょっと遠慮すると思う(こなみ

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