【巻四  曹芳】其狂也

「キチガイかよ!」



八月,詔曰:「故中郎西平郭脩,砥節厲行,秉心不回。乃者蜀將姜維寇鈔脩郡,為所執略。往歲偽大將軍費禕驅率羣眾,陰圖闚𨵦,道經漢壽,請會眾賓,脩於廣坐之中手刃擊禕,勇過聶政,功逾介子,可謂殺身成仁,釋生取義者矣。夫追加褒寵,所以表揚忠義;祚及後胤,所以奬勸將來。其追封脩為長樂鄉侯,食邑千戶,諡曰威侯;子襲爵,加拜奉車都尉;賜銀千鉼,絹千匹,以光寵存亡,永垂來世焉。」


魏氏春秋曰:脩字孝先,素有業行,著名西州。姜維劫之,脩不為屈。劉禪以為左將軍,脩欲刺禪而不得親近,每因慶賀,且拜且前,為禪左右所遏,事輒不克,故殺禕焉。


臣松之以為

古之舍生取義者,必有理存焉,或感恩懷德,投命無悔,或利害有機,奮發以應會,詔所稱聶政、介子是也。事非斯類,則陷乎妄作矣。魏之與蜀,雖為敵國,非有趙襄滅智之仇,燕丹危亡之急;且劉禪凡下之主,費禕中才之相,二人存亡,固無關于興喪。郭脩在魏,西州之男子耳,始獲于蜀,既不能抗節不辱,于魏又無食祿之責,不為時主所使,而無故規規然糜身于非所,義無所加,功無所立,可謂「折柳樊圃」,


(漢籍電子文献資料庫三國志 127頁 ちくま1-307 罵詈雑言)



○解説

 郭修かくしゅうとは、しょくの権臣である費禕ひいを殺害した人物。正直曹芳そうほうは「費禕を殺したから顕彰した」というだけの感じなのですが、そこにごてごて理由を付けているのを見て、裴松之はいしょうし先生は薄気味悪く思われたのでしょう。

「いや確かに過去、国難に際して立ち上がった刺客はたくさんいたよ、いたけどさ、彼らは義のために立ち上がったからこそ讃えられたんだよ、そこに引き換え郭修とかそんな大義があるわけでもなし、そもそもザコ国家の蜀の、宰相ごっこ気取りの費禕よ? そんなカス殺したことを盛大に讃えるとか、詩経しきょう東方未明とうほうみめいで言う「もろい枝で垣根を作る」みたいなもんじゃん?  と、曹芳の顕彰をぶっ叩いておられます。

あ、ちなみに東方未明はこんな詩です↓

https://kakuyomu.jp/works/1177354054918856069/episodes/1177354054950779063



○皆様のコメント


・ぴぽ太郎 様

費禕は『中才之相』では決して無いと思うんですがね💧費禕の死は魏の興亡に大いに関係があるような。なんでさりげなくぶん殴るのか…郭脩憎けりゃ費禕まで憎いのか…そもそもなんでこれにここまで反応するのか分からないですね💧

「テロ行為を国家が顕彰すんな」という精神なら、まあ…

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