第32話 金属塊
俺は
実際に俺は強くなっていた。
ちみっちゃい少女は瞬間移動能力が使えるのだ。だけど、さすがに見えない魔法石を
俺が
そんなワケで既にザコとなった
タダの
一方、
透明な色をした光り輝く魔石。コレの使い方はまだ分からない。
さらには
「魔法石、メッチャ増えたってのに重くならないのが便利だな」
「むっふふふー!
そーれが妖精のマントの凄いトコロなんだわさ」
いや、俺は妖精のマントの力に驚嘆したんであって、ちみっちゃい少女を褒めたんじゃ無いんだが。
なんせ妖精のマントに包んだ魔法石はもう数えきれない。全部積み上げたなら、俺の背丈を越えるだろう。そんな量の石を放り込んだってのに、妖精のマントは持ち上げると普通の布の重さしか感じさせない。
便利スギル。
子供の頃みんな読んだ事の有る国民的マンガの猫耳の無いネコ型ロボットのポケット並じゃ無いのかしら。
魔法石だけでは無い。
俺は調子に乗って、動かなくなった
金属の塊はクッソ重いのである。移動させるだけでシンドイ。
だと言うのに、そいつを格納した妖精のマントは軽々と持てる。
「ふっしぎー?!
「だから。
妖精界の秘宝だって言ってるだわさ。
人間に簡単に妖精のコトが理解出来るワケ無いなのよ」
つまり
俺は
鈍いメタリックな色合いの巨人。薄汚れた使い古しの100円玉を思い出させる。銀では無い。鉄の色。
正確に言うと純粋な鉄では無く、鉄化合物、鋼であるのかもしれない。そうすると
だけど、ここで鉄の成分分析なんて出来はしない。とりあえず、鉄、ってコトでいいだろう。
「その金属、イヤなカンジなんだわさー」
鉄をニガテだと言う
「そんな重たいだけのモノどうするんだわさー?」
「うーん。
使い道は考えてないけど……
でも価値は有るんじゃ無いかな」
上の労働者達が働いてる坑道では金属の含まれた鉱石を掘り返している。
稀に出て来る魔法石も目当ての一つらしいが。一応言っておくけど上で出て来る魔法石なんて、俺の持ってるモノの欠片レベルだ。
主目的は金属、そこから金属加工品を作っているハズ。俺の持ってるツルハシだってその一つ。
だったらこの金属塊はそれなりに値打ちモノ。なんせ原石じゃ無い。原石から熱加工やらなんやらの行程を経て、やっと取り出せる金属の塊である。
「それなら、その塊渡しちゃえばー。
それでもう昼間のシゴトしなくて良いなのよ。
その分、
だけどなー。
地下で飛び回るちみっちゃい子に応援されながら一人働くのもいいけどさ。
昼間セタントやヒンデル老人と働くのも良いんだよな。チームワークみたいなのも芽生えて来てる気がするし。
それにいきなり金属塊渡したなら、トーゼン監視官達には疑われる。副所長のフェルガさんなんか「何処から盗んで来た?」とか言って犬をけしかけて来そう。
「まー、イロイロ都合ってモノがあって無理なの。
人間に妖精のコトが分からない様に。
妖精にだって人間界のお約束は分かんないだろ。
毎日夜はここでシゴトするからさ」
「ふーん、まぁ仕方ないんだわさー」
「忘れてたーなのよ。
今日はアンタにお友達紹介しようと思ってたんだわさ」
お友達?
「前に言ったと思うのよ。
ちょっと待ってねなのよ。
今呼び出すんだわさ」
すると。
「なんなんだぜ。
アタイ新作の靴を作ってる途中なんだぜ」
何処からか
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます