第二章 奇妙な共同生活 <第三話>

 ―バリーンッ!―


 結果は、無惨にも辺り一面がその壺の破片で覆われ、店の奥でコクリコクリとうたた寝をしていたブルドッグみたいなイカツイ顔をした店の主人にも、その事態を瞬時に察知する事が出来た様子で、顔色ひとつ変えることなく、やけにニヤニヤした顔つきで愛想良く近づいてきては、慌てふためく二人にこう言うのであった。

「お客さん、困りますねぇ!弁償して戴きますよぉ!」

「いやぁ、そのぉ、ボクは別にそこをただ通ろうとしただけで、全然足とかにも当たってませんし、そちらの女性の方が…」

「ちょっと!何言ってるのよ、アナタ!アタシは関係ないわよ!変な言い掛かりしないで頂戴!アナタが無理矢理通ろうとしたからじゃないの!」

「はぁ?そっちこそ何言ってんだよ!ボクの方こそ、いい迷惑さ!そっちが無理にこう通ろうとしたからじゃないのかよ!」

「何よ!アタシのせいにして!男のくせに、卑怯よね!アタシは絶対に悪くないから!そんなの払わないわよ!」

「キミだって、ボクのせいにばかりしてるじゃないか!ボクだって絶対に払わないぞ!」

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