第三章
第26話 2番目の女は、読めない
「ありがとうございました〜!」
店にいた最後のお客さんを見送る。
「シュウちゃんお疲れ様。看板準備中にしてきてもらったら休憩にしましょう♪」
「うっす………」
俺たちが夏休みに入ったということは、他の人も大体夏休中。おかけでバイトしているカフェは朝からお客が混み合いあっていた。
昼時のピークをなんとか乗り切りほっとする。
「シュウちゃんは今日の賄い何食べたい〜〜?」
「あっ俺、今日は賄い食べないで上がります!」
「あらそう。もしかしてぇ、彼女とかぁ?」
「あはは、彼女じゃないですよ。友達です。この後ちょっと遊びにいく約束してるんですよ」
「友達ねぇ〜〜?」
「そんなにニヤニヤされたって期待する話は出ないですよ」
「あら残念〜」
「そういう恋バナ的なのはあっちの読者モデル様の方があるんじゃないっすか」
「サンちゃんの場合はスキャンダルでしょうが。まぁあ? 危ない恋も好きだけど♪」
女の子(?)ってほんと恋バナ好きだよなぁ。
そういえばアイツ、夏休みぐらいにバイトに復活するんだっけ? 今一番忙しそうな気もするが……。
「あ、時間! マスターお先失礼します!」
「お幸せに〜〜」
「だからそういうのじゃないですって!」
たくっ、片柳はただのいい女友達というのに……。
修吾が店を出た5分後。店のドアを開ける1人の女の子。
カラン
「あら? 今は準備中って看板が……って……」
「お久しぶりマスター。元気してたかしら」
「久しぶりだけど帰ってくるなら一言連絡よこしなさいよねサンちゃん」
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