第16話 好感度マイナス15の兄、決意

『決行は来週から。中途半端だと伊織ちゃんのペースに乗せられていつも通りの結果になるから、ちゃんとモチベーション合わせてきてね』


 片柳に言われたことが何度も頭に流れながら俺は夕食後の皿洗いをしていた。


 教室で片柳が服を脱いで襲うと言ったのは驚いたが……優柔不断な俺のためだったのであろう。


 ソファでスマホを見ている伊織をチラッと見る。この様子じゃ風呂掃除や洗濯は終わった服を外に掛けたり、アイロンがけしたりは俺ひとりだよな。意外と夜の方が家事はやることが多いんだよ。洗濯だけは何故か率先やってくれるのは謎だがやらないよりはありがたい。


 と、いかんいかん。伊織に厳しくなないと。兄だからといって妥協する必要はない。伊織との言い合いは、いつもが先に折れているため変わらないのは当たり前。


 俺は伊織にギャフンと言わせて、言わせて……いいな。


 伊織のことを見つめすぎたのか、視線がこちらに向いた。


「……なに?」

「な、なんでもない」

「……」


 伊織が疑うように見つめ続ける。動揺するな、俺。覚悟を決めただろっ。これから伊織をギャフンと言わせるんだろっ。




「……チッ、片柳せつ、お兄ちゃんに何か吹き込んだな……」






          —第一章終わり—






【あとがき】


ギャフンと言わせる。つまり分からせ。


主人公は兄妹と仲を良くしたい。

片柳せつは……なんの目的で?


第二章もよろしくお願いします!

(星をいただけると励みになりますm(__)m)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る