第14話 動く、3番目

「修吾おはようー! いやー、今日もいい朝で一日元気よく過ごせそうですなー……って、どうしたその目の下のクマ!?」


 俺の席にくるなり、元気よく挨拶したと思えば、心配そうにかけよってきた拓人。

 心配してくれるのはありがたいが、耳がめっちゃキーンとした……。


「昨日ちょっと考え事してたら眠れなくてなぁ……」

「あー、察し。どうせ妹様のことだろ」


 ここのところ伊織の件ばかり考えてるし、拓人も察するか。


 カフェでの出来事。伊織が俺から取り上げたお金を使わないことが気になっていた。

 でも本人は、女の子とのデートで使っていると言っている。たまたまカフェの時だけ使わなかったのかもしれないし……。


「お前も大変だな。……まぁ俺も大変だけど」

  

 拓人が疲れたようにため息をつく。

 きっとお姉さんの件なのだろう。



◆◇


「先生……終わりました……」

「ご苦労だ、九空!」


 体育の先生に頼まれ事を終えた。何故、俺に頼んだのかと聞いたところ、「九空が手伝うと他の生徒から聞いたぞ!」と言われた。……言った覚えがないのだが? まぁ簡単な作業だったからいいけど。

 更衣室で着え、教室に戻ろうとしたが、喉が渇いたので、自動販売機で飲み物を買いベンチでひと休みすることにした。


「はふー……」


 体育の後の冷えたお茶はうまい。

 気温がだんだん暑くなってきたな。そろそろ夏服移行期間かなー。


「ん?」


 お茶も半分になってきた頃。見覚えのある人物がきた。


「修吾くんやっほー」

「おお片柳。お前も飲み物買いに来たのか?」

「あー、違う違う」

「え?」


 自動販売機に用がないならなんでここに……。


 首を傾げていると片柳が言う。


「修吾くん。今日のお昼は私と食べてくれないかな?」







—————————

妹様にヘイトが溜まっているようですが、経験値を積みたいのでこのまま進んで完結目指します!

(加減が難しいですねっ)


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