笑顔依存症

第1話

中学校に入学して数週間。

ようやく部活の仮入部期間が始まった。

「鳴海はどこの部活入るの？」

「えー…まだ決まってないかなぁ…美術部とか暇そうだし」

「分かる、顧問の先生とか緩そうだよね」

「けど、親から運動部入れって言われててさ。バドミントン？とか楽しそうかなって思ってる」

「あー、そうなんだ。うちの家はそんなの気にしてないから大丈夫だわ」

「いいね、羨ましい」

決まってないなんて嘘だ。もう決まってる。私は最初からバドミントン部だ。

知り合いが入らなくても関係ない。もう最初から決めている。

まあ、友達と一緒に仮入部は回ろう。