第44話  平和な日常

覚醒した七香は穏やかだった。血も覚醒前より少なくていいらしい。


月に一度、俺の血を100cc程で充分足りるようになっている。


そしてパワーはかなり強力になっているようで、休み時間に走り回っても大丈夫なようだ。


最近は遥ちゃんとグランドで遊んでいる。やっと七香も普通の生活が送れるようになった気がした。


俺は遠くからそれを眺めて嬉しくなった。



やがて体育祭が始まった。


七香はバスケットボールの補欠選手になっている。遥ちゃんが無理矢理推薦したからだ。


試合は後半になり我がクラスは逆転され負けそうになっている。


そして七香が選手交代となり出てきた。


ホイッスルが鳴り響くと七香はすごいスピードでボールを奪い、高くジャンプしてダンクシュートを決めた。


みんな口をぽか〜んと開けて見ている。


あっという間に逆転した。


遥ちゃんと抱き合って喜んでいる。


俺は七香も青春を謳歌しているような気がして嬉しくなった。


二人のラブラブぶりも強力になった、お昼は七香の作ったお弁当を二人で食べた。


「もう夫婦みたいだね」とみんなに言われた。


俺と七香は嬉しそうにニッコリした。


幸せな時間がゆっくりと過ぎて行く。


俺はこのまま何事もなく過ぎていくことを心から願った。

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