第25話  転校生

新学期が始まると七香は父親の仕事の関係で引っ越すということで最後の挨拶に学校へ来た。

明日から身を隠す予定だ。準備は整った。


しかし、その日に転校生が1人やって来た。

その子は金髪の女の子で『ダニール絵美衣』と名乗った。

初詣で見た女の子だ、俺と七香は固まった。

俺は心の中で『ラミア』で無いことを祈った。


「皆さん、これまでありがとう、父の仕事の関係で引っ越す事になりました、またいつか会えることを願っています」

七香は挨拶を済ませると帰る準備を始めた。

代わりに転校生が挨拶した。


「こんにちは、私はダニール絵美衣です、これからしばらく皆さんと一緒に勉強します、よろしくお願いしますね」そう言って微笑んだ。

金髪で青い目のとても美人だ、プロポーションもモデル並みでクラスの男達は緩んだ笑顔になった。


七香は鞄を持って教室を出た。

すると絵美衣は「すみません、お手洗いに行きたいです」そう言って教室を出た。

俺は胸騒ぎがしてこっそり教室の後ろから後を追いかけた。


七香は下駄箱の近くで呼び止められた。


「逃げるの!あなた『ラム』でしょう?」絵美衣が腕を組んで睨んでいる。


「何のことかしら?」七香は無視して帰ろうとした。


「そうは行かないわ」


絵美衣は手を七香の方にかざした、すると七香は動けなくなった。


七香は仕方なく絵美衣の方を向くと手をかざして対抗した。


2人はじっと睨み合って動かない。


「おや、あなたはまだ覚醒出来てないのね」少し笑った。

そしてさらにキツイ眼差しになった。


七香は少しよろけた。


「ふふふ………覚醒前に私と出会ったのが不運だとしか言えないわね」そう言ってよろけた七香に近づき手をかざした」


「うううう〜」七香は首を絞められたように苦しそうな顔になった。


俺は「やめろ!」そういって絵美衣に掴みかかった。

しかし振り払われ吹っ飛んで下駄箱に叩きつけられた。そのまま崩れ落ち動けなくなってしまった。

「七香〜」俺は必死に七香に声をかけた。


七香はすでにぐったりしている。


「ラムめ、死ぬがいいわ」そう言ってまた七香に手をかざした。

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