第17話 青峰穂乃果
何となく教室では、七香が微妙な立場になって来てるような気がした。
それでも七香のために血を集めるしかなかった。
「旭〜、緑味の血が欲しいよ〜」七香は申し訳無さそうに言った。
「緑味か、青汁みたいにナチュラルで体に良さそうな………かなあ………」
俺はまた教室を見渡した、弓道部の
いつものように七香に目で合図した。
七香は穂乃果ちゃんに近づいた、そして確認するとニッコリと微笑んだ。
「旭、穂乃果ちゃんとっても美しい緑味だよ」
「本当?よかったあ〜、今回は何もしなくていいんだね」
「うん、そのままで十分いける」
「じゃあ早速キッカケを作って点滴に誘わなくちゃあ」
翌日の放課後、穂乃果ちゃんに話しかけようとしていたら七香が眉を寄せて俺を見た。
「どうしたの?」
「なんか変!今日は変な茶色が混じってる」
「えっ?どう言うこと?」
「今日穂乃果ちゃんは何か怖いことがあるみたい、かなり恐怖が感じられるの」
「えっ!恐怖!どうしよう………」
穂乃果ちゃんは弓道部の練習には行かないようだ、グッと唇を噛み締めて教室を出て行った。
俺と七香は心配になって後をついて行った。
穂乃果ちゃんは駅裏の歓楽街へ歩いて行った。
「危ないね、ここは不良の溜まり場だよ、大丈夫かなあ」
「そうね、どうしたんだろう?」
歓楽街の外れにある小さな公園に入って行った。そこには不良たちがたむろしていた。
不良のリーダーっぽい男が穂乃果ちゃんを見てニタニタしている。
「カワイイ子じゃん、俺たちに何か用かい?」近づいて来た。
「もうお姉ちゃんに付きまとわないでください」穂乃果ちゃんは唇を噛んだ。
「お姉ちゃん?もしかして
「そうです、お姉ちゃんは迷惑してるんです、もう付き纏わないでください」
不良のリーダーは ニッコリすると「いいよ、もう円香はいいや、妹の方が気に入った」
そう言って穂乃果ちゃんの手を握った。
「やめてください!」穂乃果ちゃんは必死に振り払った。
「お姉ちゃんの代わりに付き合ってもらうぜ」そう言って強引に肩を組むと公園の奥へと引っ張り込もうとしている。
七香は決心したような表情になると「旭はここに居て」歩き出すと不良達に言った。
「やめなよ、嫌がってんじゃん」
不良達は振り向いた。
「うを〜!!超カワイイ子じゃん、今日はついてるなあ」不良達は七香を取り囲んだ。
「七香ちゃん、どうしてここに?」
「穂乃果ちゃんが不安そうな顔で教室を出てったから心配でついて来ちゃった」
「七香ちゃんって言うんだ、カワイイねえ、俺たちと遊んでくれるんだ」
不良達は七香を取り囲んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます