第11話  星月郁 

星月郁ほしずきいくちゃんは運動が得意で元気な女の子だ。

胸も大きくてプロポーションがとてもいい。

ショートカットで日焼けが似合う情熱的な感じの美人だ。

バレー部で選手になっている。

3ヶ月後の試合に向けて日々練習に明け暮れている。

俺は体育館にきて練習している彼女を見ていた。


「これは血をもらうのは難しそうだ………」


諦めて帰ろうとした時事故が起こった。

郁ちゃんと他の女の子がぶつかって倒れ込んだ。 

どうやら骨折したらしい。

俺は直ぐに父親へ連絡した。

そして救急車が手配され、実家の病院へと運ばれた。

俺の友達だと言うことで特別に個室が用意された。

しばらくは入院する事になりそうだ。

郁ちゃんは麻酔で寝ている。俺はただ見守った。


やがて気がついた。


「あれ?なんで旭くんがいるの?」


「ここは俺んちの病院だからね、郁ちゃんのご両親には連絡してあるよ」


「そう、うちは共働きだから忙しいんだ」少し寂しそうに言った。


「大丈夫?痛まないかい?」


「痛いけど大丈夫、それより試合前にこんなことになるなんて………」とても悔しそうだ。


「大丈夫だよ、直ぐに元どうりになるよ」


「うん、でも練習できないのは辛いなあ」眉を寄せて天井を見つめた。


「そうだ!俺父親と相談して早く復帰できるようにリハビリのプログラムを考えるよ!」


「えっ!そんな事できるの?」


「うん、任せておいてよ」俺はニッコリ言った。


「旭くん、ありがとうね」郁ちゃんは唇を噛んで切なそうな顔をした。


しばらくしてリハビリが始まった。

学校から帰ると直ぐに病院の横にあるリハビリセンターで、郁ちゃんとリハビリプログラムを頑張った。


「そうだ!郁ちゃんもう少し力を入れて」俺は必死にサポートした。


疲れて寝ている郁ちゃんから少し血を分けてもらった。

「大丈夫かなあ?」七香は心配そうに郁ちゃんを見ている。

「もう大丈夫だよ」


数日して郁ちゃんは退院日になった。


「旭くん、ありがとうね、とっても感謝してるわ」

久々の笑顔を見て俺も嬉しくなった。


「試合頑張ってね」


「うん、頑張るよ」


「七香ちゃんもありがとうね」ニッコリお辞儀した。


「私何もしてないよ」


「だって旭くんをしばらく借りちゃったからさ」微笑んだ。


「えっ?旭は私の所有物じゃないし」七香は首を傾げた。


「そうなの?じゃあ旭くんを好きになっても良いの?」


「えっ!」


「ほら、ダメだって顔に書いてある」


「そんな事ないわよ」七香は手をひらひらと横に振った。


「そうなんだ………最近旭くんの株があがってるからねえ」郁ちゃんは服み笑いをした。


「そうなの?」七香は首を傾げた。


「分かってるくせに」郁ちゃんはニッコリして手を振ると帰って行った。


「旭、株が上がってるんだって」七香は口を尖らせた。


俺は何がどうなってるのかわからなかった。

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