第3話  初体験

中学生になったある日、七香は少しイラついたような仕草を見せた。

鏡を見て「肌の調子が良くない」そう言って唇を尖らせる。


「どうしたの?」俺は何気なく聞いた。


「栄養が足りないの……………」辛そうな顔をしている。


「父さんから栄養剤もらってこようか?」


「そういう栄養じゃないの…………」


「えっ?…………」


「………………………………」七香はさらに辛そうな顔をした。


「なんか俺にできる事はない?」


「ある!でも……言えない………」七香は苦しそうな表情だ。


「何でも言ってよ、心配ないよ、俺は七香の味方だから」


「ほんと?」


「ああ、本当さ」


「じゃあ………腕を出して?」


俺は袖を捲り上げる。

七香は少し微笑むと『カプッ』点滴を打つあたりに吸い付く。

しばらく吸ってそっと離れた。


血の滲んだ歯形が二つ残っている。


お俺は何が起こったのか理解できない。

しかし七香は嬉しそうに微笑んだ。

そんな七香を見て俺も嬉しくなった。

それから月に一度は七香に血を提供している。


七香の話によると、成人男性の血は生臭くて飲めないらしい。

綺麗な女の子の血が美味しいらしい、小悪魔的な女の子の血はエグ味があるらしくて嫌いらしい。よく考えると結構味にうるさいのだ。


男でも俺の血は何故か大丈夫らしい、ただ興奮して一度熱くなった方が美味しいらしくて、いつも血を吸う前にはイチャつく事が多い。


しかし中学生の俺は七香が満足するほど提供できなかった。


今はそこそこ提供できるが、七香も年齢と共に必要な量が増えてきているらしい。


七香がいつも大人しく佇んでいるのは、少ない血で間に合うようにしているからだ。


そんな七香がかわいそうで、俺は美女の血を集める事にしたのだった。

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