第2話  ハーフ?

俺は桐原旭きりはらあさひ、名越高校の2年生。

幼馴染の七香とは同級生で子供の頃からずっと一緒だ。

彼女の父親は海外に行っているらしく、一人でいることが多い。

七香の自宅は近くのマンションだが、殆ど行った事がないし母親を見た記憶がない。


俺の父親は開業医だ、母は看護師で自宅は病院のビルの最上階にある。

七香の父親から『留守がちなのでよろしく』と頼まれたらしく、七香は殆ど俺の家で遊んでいる。

俺の両親も七香が一緒にいると安心するらしく、食事も一緒に食べることが多い。


俺の部屋は両親の隣で1LDKになっている。

それを良いことに俺は七香と常にベッタリと暮らしているのだ。


これは俺の勝手な分析だが、七香は吸血鬼と人間のハーフのような存在だと思っている。もし完全な吸血鬼なら、血を吸われた俺はとっくに吸血鬼になっているはずだ。


そして七香の能力は恐ろしく高い。

テストはほぼ全問正解、順位は当然圧倒的に他を寄せ付けない一番だ。

どうやら一度聞いたことは殆ど忘れないらしい。

運動能力も圧倒的に優れている、真剣に走れば誰も追いつくことはできない。


俺の成績がそこそこ良いのは七香が家庭教師の代わりをしてくれるからだ。

しかし、そのことは両親には内緒にしている、その方が俺が優秀だと思われ自由が利くからだ。その事と七香が血を欲しがることは二人だけの秘密なのだ。


学校は七香と同じクラスで、席も近い。

幼馴染で仲が良いことは皆んな知っている。

しかし殆ど同棲状態である事は当然秘密だ。


当然七香に憧れる男たちは多い、人気NO1もずっと続いている。

七香は清楚で大人しく、ニッコリ微笑んでいる事が多い、まるで天使のように思われている。


俺の同級生にイケメン四天王と呼ばれてる奴らがいる、一度誰が七香と付き合うかを競った事がある。しかし七香は誰とも付き合わなかった。


幼馴染の俺が一番近い存在である事は暗黙の了解になっている。

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