1-3

それは唐突だった。

白い空間が破られる。

気づけば土を踏んでいた。

風が緩やかに吹いている。

葉擦れの音が微かに鳴っている。

どうやら森の中らしい。

月の光が上から降ってきている。

時刻は夜だ。とはいえ、どうやら満月のようであるし、それほど遅い時刻でもなさそうだ。

そして、目の前には見知らぬ小柄な女がいた。少女と呼んでも差しつかえなさそうなまだ若い女だ。二十歳に届くかどうかといったところか。

見覚えはない。

そのはずだ。

だが目の前の女は、それはそれは嬉しそうに微笑んでいる。


***

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