第6話 再集合に向けて
雄也に電話をかけようと連絡先を開いた。紗耶からの電話前は、メールと共に削除しようと思っていたので、危なかった。あのタイミングで電話をかけてきてくれた紗耶に改めて感謝した。
早速、雄也に電話をかける。すごく緊張していた。
「もしもし」
遠慮がちな雄也の声が聞こえた。
「雄也、日曜日はごめん。」
陸太はそれだけ言った。
少し沈黙の後、
「俺の方こそごめんな。みんなに会える楽しみで、べらべらと喋りすぎた。しまいには、紗耶とも喧嘩しちまったよ、、、。この1週間は、なんか大変だったな。上司には色々怒られるし、取引先とはうまくいかないし、、」
みんなこの1週間は引きずっていたんだな。雄也でさえも。
「また、日曜日にさサトウキビ畑で集まらないか。」
陸太は言った。
「サトウキビ畑か。懐かしいな、、、」
そう懐かしみながら、「楽しみにしている。」と言った。
そして、電話を切った。喧嘩した後、初めて連絡を取ったので、お互いぎこちなかった。しかし、雄也ももう一度集まりたかったのだとわかり、嬉しく思った。
そもそも、何であんなに喧嘩になったのだろうか。ふと、陸太は疑問に思った。雄也とはもちろんだが、ここ10年誰とも喧嘩したことは愚か、言い合いもした覚えがない。
2人に期待しすぎていたのかな。そう反省し、日曜日は肩の力を抜いてサトウキビ畑に行こうと決めた。
この日に飲んだビールの味は、また、いつも通りの味に戻ってきた気がする。
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