第4話 日常

次の日、陸太はいつも通り会社に出勤した。いつも通りの日常に戻っていく。昨日のことはモヤモヤと胸の内にあるが、みんな変わってしまったんだなと考えを改めようと思った。結局、3人の物語は何年も前に途切れてしまい、もう、元に戻ることはないんだろうと。

そう思って、仕事をしようと頑張ったが、いつもはしないはずのミスを連発している自分がいた。

上司からも呆れられ、

「今日疲れてるんじゃない?休暇とって帰ってもいいよ。」

と言われる始末だ。

月曜日かから金曜日まで、そんなミスを連発しながら仕事を何とかこなしていた。しかも唯一の楽しみである帰宅後のビールが何だか美味しくない。

やはり、大親友だと思っていた2人に喧嘩を売り帰ってきたショックは大きいようだ。

毎日、2人のメールを開いて何かを打とうとするがどうしても打つことができなかった。2人は本当に自分のことが嫌いになったのではとネガティブな感情ばかりが沸き起こる。しかも、また会った時は、喧嘩になるような未来しか想像ができなかった。

金曜日の仕事を終えて、帰宅した。最近はあまり美味しいと感じないビールを片手に雄也のメールを開いた。そして閉じた。

「もう何年も会ってない友達は友達ではなくなるんだな。人間、変わらないことはできないんだ。あんな仲がよかったのにこうなってしまったんだもん、、、」

そう独り言を発し、雄也のメールをゴミ箱のに持って行こうとした。

その時、携帯が鳴り出した。

紗耶からの着信であった。

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