第2話 日曜日

待ちに待った日曜日になった。

場所は、自分達の卒業した徳島中学校の最寄駅の居酒屋に集まることになった。楽しみではあるけど15年会っていない友達との再会に少し緊張していた。居酒屋の前で携帯片手に待っていると、ひとり見覚えのありそうな人影が歩いてきた。雄也だった。

「おー!懐かしいな久しぶり!」

雄也が声をかけてきた。

パっと見はイケイケの営業マンのような風貌で大人になっているように感じられるが、やはり、中学生の時の面影もあり、懐かしく覚えた。

「紗耶は子供の世話があるから少し遅れるって。先中に入ってようぜ。」

そう言われて先に2人で入ることにした。

紗耶は結婚して子供がいるのか、、あんなにお転婆だった紗耶がお母さんになっていることに驚いた。

席につき、ビールを注文してから話を始めた。

「最近俺さ、仕事で成功してよー。もう最高なんだよね!綺麗な嫁さんももらってさ、写真見る?」

と雄也がどんどんと喋り始めた。

話していくにつれ、雄也の近況がわかってきた。どうやら、営業の世界で大成功し、30歳では多すぎる年収をもらっているらしい。また、半年前に結婚し嫁さんが子供を授かったみたいだ。

話を聞いていくうちに、どんどんと不快感を覚えてきた。そもそも雄也ってこんなに自慢話ばかりするようなやつだったのか。中学生の時は、我先に馬鹿なことをしてみんなを笑わせているようなやつだったはずなのに、、、

雄也に比べたら自分の現状なんてどん底である。大学四年生の時に就活を真面目にやらなかったせいで、適当に入った会社に今も勤めていて、年収も同年代の人たちと比べたら、低いことは確かである。また、彼女はもう何年いないかわからない。

30分くらい喋っていると、劣等感も相待って限界に達してきていた。雄也はなおも雄弁にしゃべっている。

「お前、15年越しに呼び出して、俺に自慢話しをしにきたのか?」

つい喧嘩腰で言ってしまった。

雄也は、びっくりした様子で持っていたコップが止まった。

ヒリついた空気が卓を包む。


そこに、

「おまたせ!」

懐かしい声と共に紗耶がやってきた。

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