取っ散らかりな日常短編
シカンタザ(AI使用)
取っ散らかりな日常短編
学校への帰り道に俺はふと、この前の一件を思い出していた。
『お兄ちゃんのバカ! 私のお弁当食べておいて、なんでそんなこと言うの!』
『いやだから……あれは俺が悪かったって』
『もういいよっ! お兄ちゃんなんて大嫌いっ!』
そう言って双子の妹の結花里はどこかへ行ってしまったのだ。その出来事から数日が経ち、俺は未だにあの時のことを謝れずにいた。
(あいつもいつまでも怒ってるし……。まあ仕方ないか)
あの時俺は自分の欲望を満たすためだけに妹の弁当を食べた。そして、それを妹に責められた時につい「お前の弁当なんか食えるか」と言ってしまったのだ。
それからというものの妹はずっと不機嫌なままだ。いつもなら少し時間が経ったら許してくれるのだが今回はどうやら相当怒っているらしい。
(でも今度こそきちんと謝らないとなぁ……)
俺は心の中でそう思いながら家に帰った。
しばらくして、俺はいつも通り学校に登校していた。教室に入るとすぐに俺に気付いた結花里がこちらにやってきた。
「あっ、お兄ちゃん! おはよう!」
結花里は俺のことをお兄ちゃんと呼んでいる。何とか仲直りできた。
「おう、おはよう」
「ねぇねぇお兄ちゃん、今日の放課後空いてる?」
「え? ああ、別に用事はないけど……」
「ほんと!? じゃあさ、今日一緒に帰ろうよ!」
「ああ、わかった」
「やったー!約束だよっ!」
そういうと結花里は自分の席に戻っていった。
キーンコーンカーンコーン…… チャイムが鳴ると同時に担任の教師が入ってくる。いつも通りの退屈な授業が始まるのかと思っていたその時だった。
「みんな聞いてくれ。突然だが転校生を紹介するぞ」
クラス中がざわつき始める。それもそうだ。こんな時期に急に転校してくる生徒など普通はいないだろう。しかも男子だとしたら尚更だ。
「入ってきてくれ」
先生の声とともに一人の少年が入ってきた。
「初めまして。伊崎海斗です。よろしくお願いします」
その瞬間、クラス中の女子たちが一斉に黄色い声を上げた。
「きゃー!イケメン!!」
「マジヤバくない!?」
確かに顔立ちは整っていて身長も高い。さらに言えば頭も良いらしく、成績優秀者の一覧にも名前が書かれていた。
しかし俺にはどうしても気になることがあった。それは──
「おい、あいつの目……真っ黒じゃないか」
そう。海の瞳はまるで深海のように黒く濁っていたのだ。
(なんか変な感じだな……)
それから一週間ほどが経ったある日のこと。その日もいつも通り学校に行って、放課後になったら家に帰って、結花里と一緒にテレビを見て、風呂に入って、寝るといった感じの日々を送っていた。そんな平凡な日常に変化が訪れたのは次の日の朝のことだった。
「お兄ちゃん! 起きて!」
俺は妹の声で目を覚ました。
「どうしたんだ? こんな朝早くから……」
「いいから早く来て!」
「わ、わかったよ」
それから数分後。俺は妹の部屋にたどり着いた。そこには俺と同じ制服を着た少年がいた。
「紹介するね! この人が私のお兄ちゃんだよ!」
「初めまして、海斗といいます。よろしくお願いします」
「はぁ……。どうも……」
「ほら! お兄ちゃんからも自己紹介して!」
「俺は……真島翔です。こちらこそよろしくお願いします」
「うん! 二人ともこれから仲良くしようね!」
「ああ」
「はい」
(ったく、なんなんだよこの状況……。いきなり現れたと思ったら、なぜか俺たちが友達みたいになってるし……。意味わからん……)
「じゃあお兄ちゃん! 一緒に学校に行こ!」
「え? まあいいか……」
「あ、僕もいいですか? 真島さん」
「はい。別に構いませんよ」
「やったー! 三人で登校だー!」
こうして、俺と結花里と謎の少年の海斗は一緒に登校することになった。ちなみに結花里は俺のことをお兄ちゃんと呼んでいるのに、なぜこの人は俺のことを名前呼びにしたのだろうか……。
そんなことを考えているうちに教室に着いた。教室に入るとすぐに結花里が話しかけてきた。
「ねえ、お兄ちゃん! 今日の昼休みって空いてたりする?」
「ん? まあ暇だけど……」
「ほんと!? よかった〜。実はさ、私とお兄ちゃんで話したいことがあって……」
「そっか。それなら中庭にでも行くか」
「うんっ!」
それから昼休みになり、俺は結花里と海斗を連れて校舎裏の中庭に行った。そこで俺はいつも通りベンチに座って昼食を食べていた。
「それで、俺に話したいこととは何なんだ?」
「あのね、お兄ちゃん。最近学校でいじめられてたりしない?」
「え!? どうしてそれを……!」
「やっぱりそうなんだね。大丈夫。私たちに任せて! お兄ちゃんを絶対に助けるから!」
「いや、でもどうやって……?」
「それは今度話すよ。とりあえず今日はもうちょっとここで待っててくれるかな」
「わ、わかった」
それからしばらくして、結花里と海斗は教室に戻っていった。そして、しばらくすると二人がこちらにやってきた。
「あれ? どうしたんですか?」
「ふっふっふっ! 今日こそ君たちを助けることができるよ!」
「どういうことだ?」
「まあまあ見てなって!」
それからしばらくして、俺と結花里と海斗は再び教室に戻った。そして俺は自分の席に戻る。
「あっ、真島くん! おはよう!」
「ああ、おはよう」
「えへへっ、真島くん! これあげる!」
そういうと女の子は俺に何かを渡した。
「これは……?」
「昨日作ったクッキーだよ!」
「ありがとう。嬉しいよ」
「うわー! 本当にもらってくれたんだ! 真島くん優しいね!大好き!」
そう言うと彼女はどこかに行ってしまった。
(一体何だったんだろう?)
「真島くん、どうしたの? ぼーっとしちゃって」
「い、いや、何でもない」
「ねぇ、それより聞いてほしいことがあるんだけど、いいかな?」
「ああ。もちろん」
(今度はどんなことを言われるのか……)
それから数分後。俺は屋上にいた。結花里と海斗も一緒だ。
「それで、話っていうのはこれのことなの。お兄ちゃんのためにみんなで考えた作戦」
「なるほど。つまりこの前言ってたのはこういうことだったんだな」
「うん。まずは私のお兄ちゃんに対するイメージアップ大作戦!」
「なんか恥ずかしいな……」
「でも効果は抜群だと思うよ!」
「確かにそうだが……。まあいい。続けてくれ」
それから結花里と海斗による説明が始まった。
「じゃあ始めるね! 私のお兄ちゃんはとてもカッコいいです!」
「…………」
「どうしたのお兄ちゃん?」
「え? あ、ごめん。ちょっとボーッとしてて……。で、続きは……?」
「はい! だから私はこう言いました!『お兄ちゃんはすごく優しくて頼りになる人なんだよ!』って」
「まぁ間違ってはないな」
「ですから皆さん! お兄ちゃんはこんなにも素敵な人なんですよ!」
「えぇ……」
(そんなこと言われてもな……)
それからしばらくの間、結花里はひたすら俺のことを褒め続けた。その結果……。
「わかったよ。君のことは信じることにする」
「本当ですか!?」
「うん。だって君は僕の妹を助けてくれた恩人だもんね。それに嘘をつく理由なんてないし」
「えへへっ、よかった~」
「まあこれからは仲良くしようじゃないか。よろしくね、真島くん!」
「はい、こちらこそお願いします」
こうして、結花里のいじめ問題は解決されたのであった。そして、この日から俺たちは友達になった。
ある日の放課後。俺は一人で帰ろうとしていた。すると後ろから誰かが走ってくる音が聞こえてきた。振り返るとそこには結花里がいた。
「お兄ちゃん! 一緒に帰ろ!」
「おう。別に構わないぞ」
それからは、二人で他愛もない会話をしながら帰った。
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