キーン


剣『では実際にどのように運用しているのかをニューガン皇国を例に説明しましょう』

チ「楽しみだにゃあ!」

剣『まずはキーンですが、これは読んで字のごとく金から名付けました。ちなみにギヌは銀、ドゥカは銅貨ですね』

チ「安直だにゃあ!」

剣『こちらは日本円にして約一万円相当します』

チ「わかりやすいんだにゃあ!」

剣『本当は通貨レートまで考えようとしたんだけど、そこまでやると絶対読者はついてこれねーなって、なっちゃったのでやりません』

チ「既に十分ややこしいからそれで良いんだにゃ!」

剣『そして、基本は紙幣のみで中央政府の発行。地方は中央からの許可なくして発行はできません』

チ「にゃあ? 何故だにゃあ?」

剣『宇宙が余りに広すぎるからです。中央政府からイチイチ輸送してるのを待てないことも多いので、その辺の対応は出来るようにしてあるんですが、あくまでも中央からの許可が無い限り発行は出来ませんし、枚数も制限されています』

チ「厳しいんだにゃ」

剣『そして、これは全てのニューガン通貨に言えますが、1、5、10、50、100、500、1000、5000、10000の通貨があります。こちらはわかりやすく日本の通貨単位に揃えてあります』

チ「わかりやすくてありがたいんだにゃ!……にゃあ? そうすると一万キーンって……」

剣『一億円ですね。一億円札です』

チ「子供みたいな発想だにゃ!」

剣『まあ、こうなるのも仕方が無くて、この通貨は各通貨への外貨準備用にもなっているので金額が多くないと困る点も出てくるんです。何しろ国家予算の規模が段違いなので』

チ「国の予算は大変だにゃあ」

剣『そうなりますと、キーン紙幣はよほどのことが無い限り一般には出回らない通貨になります。主にビジネスか政府の支払いに使われます』

チ「あんまり使う機会が無さそうだにゃ」

剣『ビジネスでは割と使われるんだけどね。端数を切り捨てられるし』

チ「そういう長所もあるんだにゃ!」

剣『そしてニューガン皇国の基軸通貨でもあり、

チ「にゃあ? 初めて聞くんだにゃあ? それは一体何かにゃあ?」

剣『これも作者が考えたなんちゃって経済論です。実は通貨には常に『インフレ』を求められている一面があります』

チ「何故かにゃあ?」

剣『経済が発展して好景気の時はインフレが起きているからです。そう考えるとインフレになり続けないとダメな物とも言えます』

チ「にゃあ? でもジンバブエとかボリビアとかはどえらいことになっているような……」

剣『あれはハイパーインフレと言って、アホが無尽蔵に発行したからです。まあ経済破綻して意図的にハイパーインフレを起こす時もありますが、基本はそこまでのインフレはしません』

チ「難しいんだにゃあ……」

剣『程度の問題だから。細かい話しをすると物凄く難しい話しになるけど、ほどほどのインフレは必要とされているんだ。そして、常にインフレし続けるとどうなるかな?』

チ「にゃあ……多分、額が凄いことになるかにゃ? ちょっとずつでも続けると凄いことになるにゃ!」

剣『要はそれを防ぐために?』

チ「どういう意味かにゃ?」

剣『最初はチェ・キーン、次がパル・キーン、最後はグナ・キーンです』

チ「にゃあ?」

剣『例えばですが、本来の1キーン=1万円ですが、これが1キーン=1円まで落ちたとします』

チ「安くなったにゃ!」

剣『そうすると、キーンの価値を戻す必要性が出てきますね?』

チ「確かに戻す必要があるんだにゃ!」

剣『その時のキーンがチェ・キーンとしますと1万チェ・キ―ン=1パル・キーンとする通貨を発行するんです』

チ「……………………にゃあ?」

剣『そして、全部がパル・キーンになるとどうなりますか?』

チ「……………………また1キーン=1万円に戻るんだにゃ!」

剣『こんなことを繰り返すように円環を作るんです。だから、グナ・キーンの後はまたチェ・キーンに戻ります』

チ「終わらないワルツだにゃ!」


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