スーラー 電脳士

剣『ふぅ……では最後に最も重要な兵種『スーラー』について説明しましょう!』

チ「ようやく戻ってきたんだにゃあ……」

剣『と言ってもこれはひとことで言えば『ハッカー』のことです。電脳士スーラーと言います』

チ「こっちは割と簡単に終わりそうだにゃあ……」

剣『簡単に終わりたい……と言うよりも簡単に終わらせたいと言うのが作者の気持ちでしたね』

チ「???? どういう意味かにゃ?」

剣『実際のハッキングは色んなコマンドを打ち込んだりするし、システムの隙を突いたやり方を取るのが一般的なんだけど……』

チ「なんだけど?」

剣『恐ろしく地味な絵面なんだわ』

チ「悲しい現実だにゃ!」

剣『技術自体がは大事なことだけど、滅茶苦茶地味な上に映えないからね。そこで、『未来世界ではハッキングをわかりやすい形に置き換える』ということにしたんだ』

チ「……わかりやすい形に置き換える?」

剣『実際のハッキングでもやり方は大体一緒で、自作したハッキングツールを利用してハッキングする。この点においてはやり方が変わっても一緒なんだわ』

チ「そうなのかにゃ?」

剣『まあ、ハッキングみたいな犯罪は万能ツールが発明されたら、それを長く使うことが多いからな。そこで、こういったツールを『目に見える形』にすることで、アクションゲーム感覚で戦う形にしたんだ』

チ「おお! 何かそれっぽい形にゃ!」

剣『ただ、ゲームとの最大の違いは『チートを使い放題』である点だね』

チ「……急につまらなくなったんだにゃ!」

剣『とは言え、これは仕方ない。目に見える形になってるだけで、実際にはゴリゴリのハッキングツールだからね。犯罪者は真っ当な戦い方はしない。だからチートを競いあうゲームという形にしたんだ』

チ「めんどくさい戦いだにゃ!」

剣『とは言え、これは一番大事な事だったりする。敵のアルゴリズムを解析する解析班とそれを使って敵を倒すって形になるから、やってることは怪獣退治のプロセスと一緒だからね。物語の形にしやすかった』

チ「ほとんどは作者の都合だけど別に良いと思うんだにゃ!」

剣『そして、このスーラーの存在が戦場のレベルを大きく下げた要因でもあるんだ』

チ「……戦場のレベルが下がるのかにゃ? どうしてにゃ?」

剣『実はこのスーラー……Aiをあっという間に支配してしまうんだ』

チ「……あれ?」

剣『言い方を変えると、使。使うと全部自分の所に帰ってくる可能性があるから』

チ「盛大な自爆攻撃にゃ!」

剣『他にもAiを使う兵器は全般的に不可になってしまう。例えば自律型の巨大ロボットとか、自律移動の人型兵器もオールアウト。そのせいでアンドロイドは中々作られなかったりする』

チ「おぅ……SFの浪漫が一つ消えたにゃ……」

剣『とは言え、この設定作っていた時期に『AI兵器は人の反応速度を凌駕する』ってのがニュースで流れたんだわ』

チ「AIは怖いにゃ!」

剣『実際問題、ここまで科学が発達した世界だと、人間には不可能な速度で動く兵器が出てきて当たり前になるんだ。そうなると『何で人間が戦うん?』って話しになるからね。ドラマの作りようが無い』

チ「世知辛いんだにゃ!」

剣『そして、毎度おなじみ日常で役に立つ場面ですが、このスーラ―はこの世界では高給取りになります』

チ「就職したくなるんだにゃ!」

剣『何しろ取り扱うのに高度な数学的知識を必要とします。そうでなくてもこれほどの情報化社会だと、どの会社にも情報システムは入れてありますので、その管理運用は必須です。その関係でスーラ―は一社に一人が原則なんですが、数学にここまで強い人間は限られてますので中々に難しいです』

チ「数学は訳が分からないんだにゃぁ……」

剣『とは言え、そんなスーラ―は初級レベルになると事務員の必須項目でもあるので、ピンキリの仕事でもあります』

チ「初級でも事務員が必ず取らないといけない免許になるんだ……」

剣『そのレベルになると簡単に取れたりするけどね。ともあれ、お金は良いけど中々なれないことでも有名な職種でもあります』

チ「上級国民への道は遠いんだにゃぁ……」

剣『ちなみにこの世界のネットは量子通信主体なので電波は使いません。その辺のちょっと注意が必要ですね』

チ「量子通信って何かにゃ?」

剣『そこは自分で調べてください』

チ「悲しいにゃあ」

剣『ちなみに先ほど言った要塞への侵入などで双方のネット回線をスーラー同士で取り合うことも多々ありますので普通に軍隊に居ますが、こちらも希少兵種なので大事にされています』

チ「色々大事にされて羨ましいんだにゃ!」


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