科学と魔法
剣『では次に科学と魔法について説明しましょう』
チ「こいつのせいでSFなのかファンタジーなのかわからないんだにゃあ」
剣『一応、SFです。何故なら、魔法と銘打ってますが、現実には魔法とは言い難い技術だからです』
チ「そうかにゃあ?」
剣『何故なら、この魔法はあくまでも『異なる科学技術の一種』であって、本当の意味で好き放題出来る魔法ではないんです』
チ「意味が解らないんだにゃあ? 異なる科学技術ってなにかにゃあ?」
剣『ではその前に、まず『科学』について確認しましょう。ずばり『科学』とは一体何のことでしょう?』
チ「???????????????? わからないんだにゃあ!? そんな哲学的な問いには答えられないんだにゃあ!」
剣『では答えを言いますとそのものずばり『世界の法則』です。『世界がどういった法則で出来ているのか?』を緻密に調べ、少しずつわかったことを積み重ねていった技術のことです』
チ「うーん……」
剣『例えるなら、学校の校則みたいなもんですね。これを破ると退学になるとか、そういったことです』
チ「随分ざっくりした言い方なんだにゃあ」
剣『ただ、校則と違っている点は『必ずその通りになる』という点ですね。先生の同情を買うとか、有力者を買収するとか、そういった裏道があるわけでは無く、やったことに対しては必ず発動する規則と言えます』
チ「裏道の例えが嫌だにゃあ!」
剣『そして、もう一つ違う点として、『そこに居る人に最初から明示されていない』という点です。そのため、『何か知らんけど退学になった』とかそういった話が多々あるんです』
チ「物凄く軽い退学だにゃあ!」
剣『まあ、学校に例えているから退学になるんだけど、実際には『死亡』だから』
チ「もっとダメだにゃあ!」
剣『ともかく、先輩たちから順番に『ここはこれをやるとこうなるぞ!』っていう今までの経験からくる知恵を積み重ねた結果が『科学』なんだ。だから今ある科学技術の大半は先輩が命がけで見つけてきた『世界の法則』への解析の結果と言えるんだよ』
チ「先輩たちには感謝だにゃあ!」
剣『ただ、ここでちょっとした問題があるんだ』
チ「????」
剣『先輩たちが積み重ねて解析した結果だって言ったよね?』
チ「???? 言ったにゃ。それがどうしたんだにゃ?」
剣『もし、それが間違っていたらどうする?』
チ「????それはおかしいんだにゃ。今まで色んな事をやって培った経験が間違っているはずがないんだにゃ? それじゃ意味が無いんだにゃ?」
剣『ところが、おじさんは色んな会社に行った事があるけど、『法律を間違って解釈してるアホ』が役員で社員全員がそれを信じ切っていたっていうパターンのあったよ』
チ「恐ろしくバカな会社なんだにゃあ!」
剣『それが、意外にこういう会社が多いんだわ(泣)昭和で止まっているアホオヤジが会社のトップだったせいで牢屋送り間違いなしの真似を平然としている会社も多い』
チ「酷い話しだにゃ!」
剣『これは声がでけぇ奴が居て、そいつがドアホだったせいで、それが定着しちゃうんだ。これのもっとも酷い例が武富士で借金に違法な利息を付けてて、そのせいで凄まじい負債を出して倒産したんだ』
チ「人間としておかしいんだにゃ!」
剣『それはともかくとして、このように世界の法則を『はき違えていた』と言うこと自体は多々あるんだ。特に科学の世界だと、それまでの理論が簡単に覆ったりするのも、こういった『はき違え』が原因だったりするんだ』
チ「にゃあ……そのたびに覚えることが変わる受験生は大変だにゃ」
剣『そうだねぇ……………………そうは言っても受験生レベルならそうそう変わることは無いんだけど、大人の世界では多々あって、今までやっていたことが実は耐久性を下げていたとかもあるぐらいなんだ。それだけ『世界の法則の発見』は間違いが多いんだよ』
チ「難しいんだにゃ」
剣『ただ、そうなると面白い事が起きる』
チ「なんだにゃ?」
剣『例えば全く同じ校則の学校でも、そこにいる生徒の経験の積み重ねは違ってしまうんだ』
チ「??? どうしてだにゃ?」
剣『そこに住む人が違うと起きることが全く異なってしまうんだ。荒れた時期は変わるし、メンツによっては奇跡の世代が居たりとか、同じ奇跡の世代でも頭の出来が違うし、頭のレベルは一緒でも得意科目が違ったりと、色んな物が変わるんだ』
チ「確かにそういうことは多いんだにゃあ」
剣『ただ、結果的に似たようなことは起きたりする。似たような人たちがいる時は似たような出来事が起きたりするので、そこにいたる答え自体は変わっても大体やれることが変わらない事が多い』
チ「わかったにゃ! すなわち世界の法則の『解釈』が違うんだにゃ!」
剣『その通り! 世界の法則自体は大宇宙の法則として絶対なんだ。ただ、その解釈は大幅に変わってしまった結果が『科学と魔法』なんだ!』
チ「同じ物なのに違う解釈とは不思議だにゃ!」
剣『まあ、世界の法則は法律みたいなもんで、同じ法律でも受け止め方の違いで全くやることが変わる。未だに『教育の義務』を子供の特権と勘違いしてるバカも居るし』
チ「違うのかにゃ?」
剣『『教育の義務』は『教育を受けさせる義務』で親が背負う義務なんだ。子供には無い』
チ「同じような気がするんだにゃあ……」
剣『その辺は色々法律の作り方に関わるから置いといて、そのせいもあって科学と魔法は『大体同じことが出来る』状態になってます。ですので、魔法だからと言って何でもできるとは限りません』
チ「夢が無いんだにゃあ……」
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