アウル

剣『では、次に『アウル』について説明しよう。これはよく言われているエーテルとかオーラとかマナとかダークマターとかそう言った謎のエネルギー物質です』

チ「ざっくり言い過ぎなんだにゃあ」

剣『マナとかエーテルとかに言い換えても良いんだけど、ここはSFらしくそれっぽい名前の新物質にしたかったんだよ!』

チ「適当すぎるんだにゃあ」

剣『それはともかくとして、アウローラはこのアウルが流れている川になります。そして、このアウローラに流れているアウルを取りだすことが宇宙空間では重要になってきます』

チ「どうしてかにゃあ?」

剣『実は宇宙空間を航行する……と言うよりも宇宙SFをやる際に、もう一つ大きな問題点があります』

チ「なんだにゃあ」

剣『エネルギー問題です』

チ「??? さっきワープ航法が出来ることでエネルギー問題は解決したんじゃないかにゃあ?」

剣『それは光速を超える問題が解決しただけです。実は未来の問題点の一つにエネルギー問題があることはエコロジー云々のニュースでみんなは知ってると思うけど、このエネルギー不足の問題解決も未来SFでは重要なことなんだ』

チ「どうしてかにゃあ?」

剣『実は巨大ロボットを動かす時に一番問題になるのは『動力』で巨大なロボットを動かすにはとんでもない量のエネルギーが必要になるんだ』

チ「そこは燃料タンクで解決できるんじゃないかにゃあ?」

剣『そうもいかない。アメリカの重戦車なんかは知られているけど、重すぎて燃料を異常に食ってしまうから、後ろにタンクローリーをセットで運用しないと使えない代物だけど、それよりも燃料を食うのが巨大ロボットなんだ』

チ「燃費が悪すぎなんだにゃあ!」

剣『他にも空飛ぶ車なんかは既に完成はしているんだけど、じつはこれにも問題が有る』

チ「ひょっとしてこっちも燃費が悪いのかにゃあ?」

剣『その通り。普通に地面走った方が燃費が良いんだ。まあ、空飛ぶ車なんかは『止まれない』という問題もあるので、運用は極めて難しい。少なくとも一般人が使っていい代物じゃなくなる』

チ「あまり一般的に使えないんだにゃあ」

剣『とは言え、スーパーロボット系ならオンリーワンの運用だからまだマシだけど、リアルロボットだとそうはいかない。ちゃんと一般人に仕えるレベルの燃費じゃないと数が揃えられないから、どうしてもここの問題を解決しないといけない』

チ「めんどくさいんだにゃあ」

剣『そこで編み出したのが『アウル』で、アウローラは惑星を包み込むように存在しているので、どこででも取りだすことが出来ます! なので空飛ぶ車だろうが、巨大ロボットだろうが、半永久的にエネルギーを取りだせるので運用することが出来ます!』

チ「便利だにゃあ!」

剣『それだけではありません! このアウルを取りだすエンジンは稼働させると『浮力』が発生します!』

チ「ど、どういうことにゃあ!」

剣『激しく使えば使うほど、浮力が発生するので、重いロボットや車も軽く走らせることが出来ます! そのため、この世界では様々な分野でこのアウルのエンジンが使われているんです!』

チ「凄いエンジンなんだにゃあ!」

剣『しかも、これのお陰で船を大気圏外まで運ぶのが極めて容易になるので重力からの脱出が容易なので、軌道エレベータ―などのややこしい設備は必要ありません!』

チ「便利すぎるんだにゃあ!」

剣『また、巨大なビルディングを作る際はどうしても自重で潰れる可能性があるのですが、この辺の問題も解決できます!』

チ「至れり尽くせりなんだにゃあ!」

剣『これを思いついたときは本当に『ええ方法思いついた!』と快哉を叫んだのですが、誰も褒めてくれなかったです』

チ「悲しいオチだにゃあ!」


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