星系の仕組み
剣『では次に星系の仕組みについて説明しよう』
チ「さっきの星系国家と何が違うんだにゃあ?」
剣『さっきのは星系国家なんだけど、実はこの世界では、他の物語では観られない特殊な星系国家の作り方をしてるんだ』
チ「そうだったかにゃあ?」
剣『実は物凄く珍しい星系国家の形をしてるよ。さっきも言ったけど、星系国家は色んな国の集合体って言ったよね?』
チ「そうだにゃあ?」
剣『そうなると、生まれた星系の国家の土地はあることになるよね?』
チ「そうだにゃあ」
剣『じゃあ、それ以外の星系はどうなっていると思う?』
チ「……………………あれ?」
剣『よーく考えよう。大半の宇宙SFでは惑星自体が一つの国になっていたよね? でもこの世界ではどんな惑星になっていた?』
チ「えーと……あれ? 惑星の中に色んな国があったような……………………」
剣『正解。実は星系が一つ見つかると、その星系国家で分割して土地が分けられるようになっているんだ。だからどの星系でも必ず星系国家の加盟国が全て領土を持っているんだ』
チ「えーと……」
剣『例えば、日本が新しい星系を見つけたとしよう』
チ「ふむふむ」
剣『その場合は日本にどの国にどこの土地を分けるかの裁量は与えられるんだけど、基本的に太陽系連邦の全ての国に分けることが義務付けられるんだ。そんな仕組みが出来上がっているから、どの星系にも必ず自国の土地があります』
チ「そうなんだ!」
剣『実はこれにも意味があって、惑星を丸ごと一国家が手に入れても発展しないとわかっているから、あえて皆に分けるようにしてるんだ』
チ「へぇー! でもどうしてそんなやり方を取ってるんだにゃ?」
剣『これには『経済分割理論』という考え方から、なるべく経済は小分けにすべきという理念に基づいているんだ。細かい話しは後で話すけど、それによって各星系には必ず加盟国の土地がある状態になっています』
チ「不思議な仕組みなんだにゃあ」
剣『細かい話しはともかくとして、それによって色んな『属国』が生まれているんだわ』
チ「属国って言葉はあまりいい意味には聞こえないんだにゃあ」
剣『と言っても、そんなに厳しい話しじゃないよ。例えばニューガン皇国の場合は必ずどの星系にも領土があるんだけど、その領土ごとに『王国』を作っているんだ』
チ「えーと……」
剣『具体的に言うとこうなる』
ニューガン皇国 直轄領 アーカム星及びその周辺の領土コロニー群
属領 他星系の領土及びその星系内の領土コロニー及びその周辺星系の領土コロニー群
剣『こんな感じになっているんだ』
チ「ややこしいなあ」
剣『とりあえず一番良く出てくるマシキア王国の場合はこんな感じになっている』
マシキア王国領 テトラ星系 リドリア星領
リドリア衛星領
リドリアコロニー領
居住不可惑星星系コロニー領 4つ
剣『こんな感じになっている』
チ「へぇ~。じゃあ、星系内の人が住んでいるところには必ず領土があるって感じなんだ?」
剣『そうだね。ただ、ここにある『居住不可惑星星系』と言うのは何のことかわかるかな?』
チ「全然わかんない」
剣『後でお話しするけど、この世界では『アウローラ航行』というやり方を取っているんだけど、このやり方だと、どうしても人が住めない惑星しかない星系を通ることがあるんだ』
チ「へぇー」
剣『そうなると、その星系は中継地点として一通りのことが出来る拠点が必要になり、そうでなくても資源を採掘するぐらいのことは出来るから、そのためにあるコロニーなんだ』
チ「なるほどぉ! 要するに砂漠のど真ん中にあるけど、列車の整備が出来るのはここしか無いから、そこに人が住むってことですね!」
剣『その通り! 言うなれば砂漠のど真ん中にあるガソリンスタンドだね。そこに拠点が無いと砂漠で途方に暮れてしまうから、国が運営してるんだ』
チ「大変なお仕事なんですね」
剣『とは言え、こういった中継地点も立派な領土なんだけど、だからと言ってここだけで自活させると全然世の中についていけなくなったりもするから、一番経済力が高い居住可能惑星がある星系で面倒見ているのが実情です』
チ「なるほど!」
剣『こんな感じで星系国家ですけども、星系には色んな国が乱立している状態だと覚えておいてください』
チ「はーい」
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