ニューガン皇国とグルパ聖皇国

剣『では次にたびたび出てくるニューガン皇国とグルパ聖皇国について説明しよう』

チ「ようやく物語によくかかわる国が出てきたんだにゃあ!」

剣『と言っても、それほど難しい話しじゃない。アーカム連邦側のニューガン皇国とブランディール界国のグルパ聖皇国は互いにライバルのような立ち位置というだけ。どちらも似通った文化を持ち、同じ主要国同士ということもあって不倶戴天の敵のような立ち位置に居ます』

チ「さっぱりし過ぎな説明なんだにゃあ!?」

剣『じゃあ、ちょっとだけ補足すると、

チ「……悪い未来と良い未来?」

剣『例えば、ニューガン皇国はカタン人とツリマ人が同居していながらも互いに尊重し合っていますし、ツリマ人は政治力までは取ろうとしていません』

チ「どうして何だにゃあ?」

剣『。文化は魂です。魂を未来に継承するのがこの未来の目的だって言ったのは覚えているかな?』

チ「何か言ってたんだにゃあ」

剣『自国の文化を大事にするのは当たり前だけど、それをたまたま住むことになった人に無理矢理強制するのもダメなら、?』

チ「なるほどぉ……」

剣『ツリマ人とカタン人に関しては後で説明するけど、ツリマ人はツリマ人で自分達の国を持っているんだ。それなのに、他の国で政治をしたいってのはおかしいだろ?』

チ「いわれてみればそうなんだにゃあ……」

剣『まだその国に骨を埋める覚悟決めたなら別だけど、そうでも無いのに政治をしたがる人は乗っ取りたがっていると言っても過言じゃないし、『乗っ取ろうと画策している!』と疑いをかけられても仕方が無い』

チ「そ、それは言い過ぎのような……」

剣『李下で冠を正さず。瓜田で靴を入れずという言葉があるように。そう言った意味でも自発的にそれを避けるという道徳観があるんだ』

チ「変な疑いをかけられるような真似をしないって意味かにゃ?」

剣『そういうこと。まあ、それはともかくとして、ニューガン皇国の場合は多少の不便はあるものの、互いに尊重し合う風土があって、これは他国人であっても受け入れるべき人は受け入れて、危険な人は受け入れないと断固とした措置を取っていることを意味している』

チ「厳しすぎる気がするんだにゃあ」

剣『この辺はどこの国も一緒なんだけどなぁ。大体、『外国人でも政治に参加できるようにすべきだ!』って言ってる連中の故国はやってないからなぁ……』

チ「それはどこの国の話なんだにゃあ?」

剣『黙秘します。その国への非難を目的としていませんので』

チ「にゃあ……」

剣『それはともかくとして、ニューガン皇国はある程度そういったことは受け入れているのに対して、グルパ聖皇国は『ツリマ人は一部しか受け入れない』とか『上級国民が第一で未開人は奴隷みたいなもの』と言った悪い部分が観られる国になっています』

チ「ニューガン皇国よりも酷いんだにゃあ!」

剣『とは言え、これは現実でも格差社会が進行していて、上級国民の意見しか通らないと言った世界になりつつあります。こういった事が進んだ先の未来も表してるんです』

チ「どっちも微妙な気がするんだにゃあ……」

剣『……この辺は僕の主義主張が色濃く出ているところでもありますね。『受け入れは許す。されど魂を犯すものは去れ』ってね』

チ「排他的なんだにゃあ」

剣『うーん……ただ、僕は各地で起きている移民問題はこれが大きな原因じゃないかな?って思っている。いきなり現れて自分の都合で土地の文化に口出しするのは移民に限った問題じゃなくて、ポリコレ思想とかヴィーガン論争なんかもその典型で、いきなり今までの考え方を全否定すれば誰だって怒る』

チ「あーなるほど」

剣『それまでやってたことを、ある日突然現れて『それは悪だ』と言ってそれを通そうとする連中が最近は増えたけど、間違っていると思うんだなぁ』

チ「どうして何だにゃあ?」

剣『そりゃ誰だって自分に関係ないものには興味は無いよ。だけど、自分にとってはいらない物でもその人にとっては大事なものだろ?』

チ「そうだにゃあ」

剣『それなのに自分の大事な物だけを大事にして、他の人が大事にしているものを潰すのはただの押し付けだよ。大は文化批判、小は旦那の大事なプラモ捨てる嫁まで、色んな形で問題になっているんだよ』

チ「問題の幅が広いんだにゃあ!」

剣『それだけ根深い問題なんだよ』


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