祝福を

シヨゥ

第1話

「すべき、という言葉は嫌いだけれども」

 と前置きをした上で、

「誕生は祝福されるべきだと思うんだ」

 と彼は言った。

「生み出されたモノは自分の意思と関係なく生み出されたんだ。もし自分の誕生が祝福されたものじゃないと知ったらどう思う? 絶望するだろう? だから生み出した責任として祝福すべきなのさ。そしてその周りもそれに倣うべきなんだよ」

 そう言って彼は娘の前でしゃがみ込む。

「こんにちはお嬢ちゃん。お名前は?」

「はな!」

「はなか。いい名前だ。僕は健司。君の新しいパパだ」

「あたらしいパパ?」

「そう。よろしく」

 彼が握手を求めると娘がこちらを見てくる。頷いて見せるとその手を取った。なぜだか泣けてくる。

「ちっちゃい手だな」

 そう言って彼は娘の手を握る。その顔は笑顔だった。

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祝福を シヨゥ @Shiyoxu

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