6分二千文字
あの女が変なことを言いやがったせいで、後30分で一万文字書く必要が出てきたのだ。
単純計算6分二千文字ということになる。
「あの野郎…無理難題押し付けやがって…こんなの誰がやるっていうんだよ…」
と、文句を垂れつつも俺はキーボードをカタカタと弾きながら一万文字を目指す。
明らかな過労にも思えるが、そんなことで根を上げてたらまた拳か足が飛んでくるのであいつのいる前ではそこまで文句は垂れないようにしている。
「どんな感じ?」
女が話しかけてきた。
経過は知ってる筈なのに話しかけてくるあたり、こいつの性格の悪さが露呈している。
許されるなら殴ってやりたい…
でも殴れば…正確には殴ろうとすれば即やり返されてしまう。
…変なこと考えてたら残り20分じゃねぇか…
「まだ三千文字だ」
「あらそう。
頑張って頂戴ね」
女は笑いながらまた定位置に戻って行きやがった。
あー!
ムカつくけど気にしたら負けだ!
平常心平常心…
一心不乱にキーボードを弾いている俺が、そこにいた。
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