一体全体どういうことだよ…

「どういうことだよ、国に売られたって…」

俺は理解ができなかった。

今目の前にいる女から放たれた言葉があまりにも現実離れしすぎていたからだ。

「日本国は貴方の人権を売りに出したわけです。

日本国に新たにできた法律…非就業者の扱いに関する法律。

通称『ニート新法』により、貴方は人権を売却された1人目のニートということです」

に、にーとしんほう?

なんだそれ…聞いたこともない。

大体、国が人権を売却するって…

「貴方の売られた人権は、私達日本労働党…『日働党』が購入しました。

つまり、今の貴方は私達日働党の所有物になります」

…意味がわからん…

何故そんなことに…

「つまり、人権を売却された貴方を買い取って欲しい。

そういう意図の元、貴方のお母様から相談があったわけです」

「…俺をどうする気だよ」

俺が今1番気になってる事はそこだ。

俺が所有物なら、持ち主は持ち物をどう扱うかは気になるところだ。

「貴方には、私たちの党に入っていただき、ニートを更生させるために働いていただきます」


「え?」

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