元ニートの俺が、ニートを更生させる為に成り上がろうかと思います

御影

そんな事…あるわけが…

兄斗けいと!!

良い加減あなたも働きなさい!」

うるさい母親の声が壁越しに響く。

…俺、紐川兄斗ひもかわけいと社会不適合者ニートだ。

「…わーってるよ…」

と言いつつも、働く気なんてさらさらない。

労働なんて社会適合者がする事であり、俺みたいな社会不適合者は、こうやって紐生活を送り、趣味に没頭するのが一番良い。

それが、世界にとっても俺にとっても悪いことではないはずだ。

俺みたいな役立たずなど、社会に出ても直ぐに煙たがられるだけである。

「分かってるって…貴方それ何回目よ!

母さんはね、30過ぎても働かない貴方が心配なのよ!」

「分かってるって!うるさいな…

あっちいっててよ!」

心配?

ならあんたは、俺が働く事に対する心配はないのかよ!

「…分かったわよ…貴方がその気ならこっちだってやってやりますからね!

あ、どうぞお入りください…」

コンコン

俺の部屋の扉がノックされ、

ガチャリ

と、ドアノブを捻り、女の人が入ってくる。

「失礼します」

相当な美人だった。 

それこそ、3次元の女に一切の興味が無い俺が、見惚れる程だ。

その上、声も俺好みでナイスバディだった。

しかし…

「…は!…な、なんなんだあんたは!

勝手に俺の部屋に入ってくんなよ!」

急に入ってきた事には変わりない。

俺は冷静(?)になって女に言葉を投げかける。

「申し訳ありません。

私は貴方のお母様のご依頼により、貴方様をニートから脱却させる為に現れた所存でございます…

単刀直入に言わせて頂きます。

貴方は


「は?」

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