『小慈羅さん 2』 その陸
小慈羅さんは、かぶらだとともに、座りました。
『たしかに、大きいが、見上げるほど、というわけでもないか。』
最初、博士はそう思ったのです。
ヒレの内部に、手のひらと指に相当する器官があるのには、びっくりしました。
『先祖帰りみたいね。』
『先生さまには、ぜひ、お目にかかるたかったれす。ハシラーくんから、色々きいたのれす。しかし、いまは、むかしのなじみは、いなくなるか、とりとるかで、はなしにならないと。ひとり、あなたらけが、頼りと、聴きました。』
『それは、ども、でも、あまり、期待されすぎても、あたしは、まだ、顔、効かないよ。』
『かぶらださんの、はなしでは、なかなかの、度胸があるとききますた。偉い人も、ケチャップだと。』
『はははははあ………』
かぶらだ氏が、頭をかきました。
『けちゃっぷ、ですか。』
『あい。で、我々のことから、話します。我々は、ここ、二千万年で、急速に進化しましたれす。しかし、地上には、人類という、かなり、好戦的で危険な種が、現れてきて、接触するのは、ながく、避けていましたのれす。』
『すごく、さっくりした、話ね。』
博士は、なんとなく、興味を牽かれました。
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