『小慈羅さん』2  その参


 『くじら属? 初めて聞きましたね。』


 中根博士は、かなり、怪しげに答えました。


 『会って、おはなしを聴いてくらさい。わらしは、まだ、ここからは、出られない。しかし、人類には、滅亡の危機が目の前に来ておりまふ。』


 『ふうん。ここ100年近く、まあ、ずっと、滅亡の危機なんですがね。だれが、この話し、仲介してるの。つまり、だれが、この番号をあなたに、教えたの?』


 『そりは、かぶらだ、二等海佐さんれす。』


 『かぶらだ? ああ。わかる。反体制的なやつだ。』


 『あなたが、上官れすか。』


 『まさか。あたしは、寄生虫クラスだから。一番したっぱだけど、ただ、博士面してるのさ。』


 『はあ❗ 研究所には、寄生虫クラスというのがありましか。』

 

 『あなた、けんか、売ってる? いや、くじらさんなら、ないよね。はは。いいよ。用事作って、会いにゆく。かぶらだを通す。あれは、いまどき珍しい、変わった人だが、信用はできるから。』


 『はい。信用はできる、反体制れすね。』


 『そいつは、内輪の言い方だから、使わないように。』


 『はい。いつ、きましか?』


 『2~3日うちには。まあ、寄生虫は、動きやすいから。』



        🐳

    

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