第16話 学校の先生が、警察にいく途中のバスの車内で、おもらしです!汚いなあ。「きゅんです!」 「八丈島です!」 「それ、キョンです!」

 生徒のほうが、圧倒的に有利。

 中学生女子は、強かった。

 「見たか、教師!」

 「男子!」

 「勝利のポーズ、決め!」

 「やったね!」

 彼女たちは、中学校が保護されているという警察署を、目指した。教育課も入っているという、庁舎っていうところの一部だった。

 タカハシを連行し、皆、バスに乗って向かった。

 「タカハシ、震えてるじゃん」

 「うちら、中学生女子に、びびってるんじゃね?」

 「びびるって、鎌倉時代にできた言葉だったよね?」

 「学校の先生って、そういうの、知っているのかな?」

 「…こいつ、知らないだろうなあ」

 「タカハシは、英語教師だから?」

 「じゃ、なくってえ」

 「何?」

 「内緒」

 「…ちょ、やだ!」

 「どした?」

 「どしたの?」

 「こいつ、おもらしした!」

 「ちょ、まじ?」

 「コームインが、公共の乗り物の中で、おもらしか!」

 「汚いなあ!」

 「あたし、スマホで撮って、ネットで、拡散してやる!」

 「またか」

 「あんたも、好きだねえ」

 「最後に、こいつ、どうするの?」

 「最期?」

 「最期って?」

 「うちらの中学校が、無事に、見つかったらのこと?」

 「うん」

 「殺すの?」

 「この件は、無事では、ありませんなあ」

 「この件って、学校の先生の命のこと?」

 「…言えませんなあ」

 「で、さ」

 「切替え、早!」

 「中学生女子が、学校の先生を誘拐して殺すのは良くないんじゃないかなあ」

 「そう?」

 「何で?」

 「何となく」

 「…じゃ、わかった」

 「お、素直だね!」

 「そりゃ…。私、エレガントな女性ですから」

 「お嬢様、だね!」

 「きゅん、です!」

 「私も、きゅんです!」

 「八丈島です!」

 「それ、キョンです!」

 「…ってなことで、さ」

 「何?」

 「お嬢様って、学校の先生を誘拐して良いのかな?」

 「まあ、良いじゃん」

 「まだ、言うか」

 警察署に、着いた。

 「…あ!」





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