第14話 中学生女子って、純粋で、複雑。どうしよう?強くなりすぎた中学生女子たちが、テニス部の顧問を、誘拐しようとしています!

 「おばあちゃんの話は、面白いね」

 「そうかい、そうかい」

 「…あ、やば。もう、中学校がはじまっちゃう」

 「はいよ。またね!」

 中学校が戻ってくるまでの仮学校は、頼もしいながらも、憎かった。

 「困ったね、カンザキさん?」

 中学校は、まだ、帰ってこなかった。

 「カンザキさん?これって、さすがに、やばくない?」

 「やばいねえ、ミナト?これじゃあ、高校に進学できそうにない気もしてくるから、不思議だ」

 「だよねえ」

 普段なら、多くの生徒が、学校なんかいらないと言い合っていたものだ。

 それなのに…。

 こういうときには、学校のことが、気になってしまう。中学生女子って、純粋で、複雑なんだよね。

 夏が、過ぎ。

 ハロウィンの時期が、近付いて。

 「今こそ、あの計画を、実行しよう!」

 重大な情報が入ったのをきっかけに、皆が、ある男を問い詰めた!

 「ねえ、コームイン!」

 「こっち、向いてよ」

 「お父さんやお母さんの金を奪っても平気な、偉いコームインさん?」

 「ほら」

 「あんた、学校の先生でしょう?」

 「聞いているの?」

 「な、何ですか…」

 中学生女子の集団に詰め寄られたのは、テニス部顧問の、タカハシ。

 先生と呼ぶのも、ばかばかしかった。

 だから、タカハシ先生じゃなくって、タカハシ。

 「ねえ?今、すっごい情報が、入ったんですけれど!」

 先生とは、呼ばない。

 「…き、君たち?な、何かな?」

 先生、びくびく。

 「警察から、うちらの部室に、連絡がきたんですけど!」

 「今、迷子の中学校を、あずかっていますって…」

 「お宅の学校じゃないんですかって、聞かれました」

 「そ、そうなんだ…」

 「ほら、立ってよ!」

 「迎えに、いくよ」

 「立ちなさいよ」

 「お前、チホーコームインだろう?」

「プライドは、ないの?」

 中学生女子は、強すぎです。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る