第8話 「皆さん?まわりに迷惑をかけずに、生きてください!」お前が、言うな。迷惑をかけているのは、学校の先生でしょ。脳みそ、ドロリンチョ。

 なぜ?

 「なぜ、私たちの通う中学校は、いなくなっちゃったのかな?」

 朝食の時間、キウイフルーツとにらめっこしながら、考えた。

 学校の気持ちがわかる気がしてきたから、怖かった。

 「中学校は、学校の先生とかを見て、嫌になっちゃったんじゃないか?だから、逃げ出しちゃったんじゃないか?」

 今、学校の先生は、やばみ状態。

 オカダ先生のような、生徒のことをわかってくれそうな先生もいた。けれど…、そういう先生は、レア。

 生徒のことを考えられる余裕のある人は、少なくなった。

 「そんな人たちを、僕の中に、住まわせたくない」

 中学校は、そう思ったんじゃないか?

 いつもの場所には、いられなくなっちゃったんだよ。

 そういうこと。

 とりま、集まれ。

 女子たちは、団結。

 「ミナト?」

 「うん」

 「どこかにいっちゃった、私たちの中学校を、探そう!」

 「そうだね、カンザキさん!」

 「私も!」

 「私も!」

 新しい旅が、はじまっていく。

 「私たちの通う中学校は、どこに、いっちゃったんだろうね?」

 学校があった場所には、いん石が落ちたんじゃないのかっていうくらいの大きな穴が、ぽっかりと、空いたまま。

 事件です!

 今どきの学校の先生に占領された学校は、怒っています!

 学校の先生って、すごいことを言う。

 「児童生徒の、皆さん?まわりに迷惑をかけずに、生きてください!」

 お前が、言うな。

 本当に迷惑をかけているのは、学校の先生なんだよ。

 学校の先生には、わからないんだろうな。脳みそ、ドロリンチョめ。

 …そうだ。

 そういえば、カニミソって、カニの頭の部分に多いし、それっぽい色だったから、脳みそかと思っていたんだよね。

 違ったけれど。

 あれは、カニの、内臓でした。

 …いや、そんなことは、良いんだ!

 中学校さん?

 今、どこですか?





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