4話 PM23:26
救出された私は今さっきまでいた施設の外に設置された簡易的な前線基地の下で女から尋問を受けていた
「えー君名前はわかるかな?」
「」
「あーっと自分の年齢言える?」
「」
「えーっと好きな食べ物とかわかる?」
「」
「あーチョコあるけど食べる?」
「」
所々にシワが出来ている白衣を身に纏った20代前半の女はパイプイスに座らされた私に対していくつもの質問を投げかけていた。
「あーそうだ飴も有るよ!」
「」
「りんご味と葡萄味があるけどどっちがいい?」
「」
「」
「」
無言の時間が流れ耐えきれなく成った女性は葡萄味の飴を舐め始めた。
「ッたくお前は一体何をしてるんだ」
「あっ!所長!」
するとシワ一つ無い白衣とシャツを身にまとった40代位の男が近付いて来た。
「いや悪いねお嬢ちゃんこの馬鹿がちょっかい掛けて」
「ちょっと所長馬鹿ってなんですか?!酷くないですか!」
「お前自分の仕事はやったか?回収した資料を読んで分別しろって言ったよな」
「あーそれならもう終わらせときました。」
「は?」
「後これが資料のレポートです。」
男が絶句し渡された資料を読み始める。
男はそれをパラパラと捲り最後のそれを捲り終え
「何でお前はこれをいつもやんないんだよぉ」
と項垂れていた。
「えぇっと何か、ごめんなさい?」
立ち上がり手首につけた時計で時間を確認をした。
「とりあえずその子を連れて付いてこい移送先が決まった」
「また東京支部が買い取ったんですか?」
「その言い方は止めろ」
「実際買い取った用なもんじゃないですか!」
「俺は知らねぇぞ、そんな事言って反感を買っても、とりあえずこいつだけは別だ。
こいつは俺たち第5支部の預かりに成ったんだよ」
「えぇ!本当ですか!?」
「じゃなきゃ俺は来ねぇよ」
「やったー所長大好き!」
「だだだ大好き!?」
「これからよろしくね□□□ちゃん!」
この時の年不相応の純粋な笑顔と顔を真っ赤にして慌てた顔を私は忘れられないだろう。
そして私は車に乗せられ3時間ほど揺られながら第5支部に向かうのであった。
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