第32話 地下都市構想
資本主義は実に無駄が多い。その一つに家がある。地上に家を建てれば、この厳しい自然に晒され傷む。木造などはシロアリなどの害虫によっても傷む。その為に古くなり立て直しを迫られ多額のお金と時間を浪費させられる。
鉄骨や鉄筋コンクリートという木造より強度のあるモノさえ、その寿命はそんなに長くはない。特に日本の様に海に面していれば塩害にさらされ、台風や水害に時には地震に依って大きな損傷を受けるだろう。
そこで、そうしたリスクを全面的に排除する画期的な方法として地下に居住するということを考えるべきではないかと思う。地下の特徴は、何と言っても静かさと温暖さではないだろうか。
地上の喧騒を絶ち、地上の寒暖を絶つことが出来る。これほど省エネ且つ快適な環境はないと思う。更に、厳しい地上環境に晒されないことで、その耐用年数は飛躍的に伸びる。
つまり、あらゆる面で脱資本主義なのである。様々な自然災害から身を守り、かつ快適で低コストの住まいが手に入るのです。何故、そういう方向に進まないのかと言えば、お金にならないからなのです。
確かに地下に穴を掘るというコストが掛かりますが、済む環境を整えるのに掛かる建材費は大幅に削減される。殆んどべニア板に壁紙を張るだけで住むことが出来る。後は、地価を流れる地下水をどうコントロールするか。湿度をどう管理するかだけなのです。
更に、一度作ってしまえば半永久的に住めるわけで、今の様に高額な費用負担は無くなる。更に最も拙いのは、土地が要らないという日本に於ける資本主義を支える土地神話が崩壊するという大きなデメリットがあるのです。
土地に執着させ、津波が来ようと水害や台風被害が何度起ころうと、その土地に住まわせ、その土地に価値を持たせて日本の通貨の基盤としているのです。日本という国家は国民が土地に縛られることで維持されているということ。
そして、命の危険にさらされ貴重な労働で得た多くのお金を土地と家に搾り取られて、働いていも働いても暮らしは楽にならないので死ぬまで働くことになるという奴隷に甘んじることになるのです。
資本主義というお金があれば何でも出来るという便利な世界は、お金が無ければ何も出来ない、生きることさえ難しいという奴隷制度を作っているという実態を知って欲しいと思います。
そういう世界に居たのでは、何時まで経っても自由も平等も平和も実現できないといういことも。そして、何より私たち一人一人の幸福さえもままならないのです。
そういう状況を踏まえて私は脱資本主義を提唱し、その為に成すべきことを書いているわけです。何度も書いている様に、日本という国の寿命は後僅かであり、日本人の寿命も後100年を切っているのです。
残念ながら、このままでは私たちに残された時間はあまり長くない。もちろん、今生きている人は100年後にはみんな居ないので関係ないと言えばそれまでですが。
そういう状況を引き起こした責任を放置することはダメだと思います。今状況は刻一刻と悪くなっている。何が悪くなっているかと言えば、結婚や出産育児という未来を作ることを日々嫌がる若者が増えているという事です。
若い人たちにそう思わせている責任は今を生きている大人にあるのではないでしょうか?それは、今を生きている大人が詰まらない人生を送っているという事でもあるのです。
だから、そこを改めることから始めなければならない。そして、それが出来る社会を作らなければいけないのです。私は、その為にこの奴隷制度を壊したいと思うのです。
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