第27話 本当に凄いのは人間なのです!

 資本主義に於いて、お金が絶対的な力を持っている。だから、何人たりともお金に逆らうことは出来ない。それ以前の世界では、神がお金と同じような存在ではなかったかと思います。


 この2000年近くは、神やお金に支配されてきたと言えるでしょう。神様がお金に変わったのですが、その違いは何と言っても分かりやすさだと思います。


 神様という目に見えない存在を人々に認識させるには多くの言葉を必要とします。その言葉を生み出すことで言葉が発達したのではないかと思います。そして、追ういう言葉を駆使して多くの人たちを信じさせた。


 これが出来たから宗教が生まれたのです。


 しかし、お金というのは神様と違い目に見える存在です。だから、目が見える人なら誰でも少ない言葉で理解することが出来るでしょう。だから、宗教以上に多くの人たちに理解され、アッという間に世界を支配したのです。


 これは見事だと思います。宗教では世界を支配できませんでしたが、お金は世界を支配するに至っている。それも僅かな時間と労力で。


 こうした状況を見て多くの人は、宗教ってすごいのね・・・とか、お金って凄いな・・・って思うのではないでしょうか?


 しかし、本当に凄いのは、そうした目に見えない神を作った人間であり、そういう7お金という紙切れを作った人間だという事です。


 まあ、何が言いたいかと言えば、仮に神が居なかろうとお金が消え去ろうと、人間には何ら大きな問題ではないという事です。大事なのは、この地球上に人間が存在していることであり、それさえ出来れば、また新しい何かを考えられるということ。


 だから、神の為に命を落としてはいけないし、お金の為に人を苦しませてはいけないという事だと思うのです。そして、神という見えないモノから紙幣という見えるモノへと進化したという現実を踏まえ、新たな世界を想像することを忘れてはいけないのです。


 神様では豊かに出来なかった世界、紙幣ではかなえられなかった平和と平等。次なる課題は明確に見えており、その解決に着手する時代ではないかと思います。


 それは、古き良き時代に別れを告げなければ出会えないのだと思います。そして、人間にはそれが出来る。それが出来て来たからこそ今日があるのではないでしょうか?

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