第18話 資本主義社会で疲れるわけ

 現代人は非常に疲れているのではないでしょうか?それは、もはや人類史上最大の疲れを感じているのかもしれません。それは、資本主義は人間を疲弊させるからだと言えるでしょう。


 しかし、何故疲れるのかを考える人は少ない。疲れを取ることを考える人は多いですが。それは、これだけ仕事で無理をすれば疲れるに決まっているという思いがあるのかもしれません。


 疲れることで仕事をしている気になっている人も多いのではないでしょうか?


 その結果、疲れていないと仕事をしてないと思われるわけで、誰もが挙って疲れることをやるわけです。そして、疲れは仕事の勲章みたいになる。実に愚かしい考えだと思います。


 それは、まるで小学生みたいに・・・・


 しかし、実は本当に仕事の出来る人間は疲れない。だって、出来ることしかしないから。仕事とは出来ることをすることであって、出来ないことをすることではない。出来ないことをするというのは、むしろ詐欺行為ではないかと思います。


 出来ないことをすることは出来ませんが、出来る様に見せることは出来る。恐らく、誰もがこれをやるのです。だから、結果として疲れるわけです。


 お金儲けとは、本質的には詐欺です。これは何度も書いている事ですが、原価が100円のモノを如何に高く売るかが儲けになる。正直に100円で売ると実質損になる。そうやって他人を騙すことで自分の利益を得るのが商売であり、それをやらせるのが資本主義となります。


 商材もそうですが、自分自身もそうです。自分の価値を如何に高く見せるかで給与が変わってくる。だから、仕事が大変になり疲れることになるのです。


 お金を得なければ生きていけない世界が、人間を無能にしてしまうのです。皆さんはお金をたくさん稼げれば有能だと思うのでしょうが、それは単に嘘が上手いだけで決して有能ではないのです。


 本当に有能な人は、仕事を減らせる人であり、その分楽に生きる人と言えるでしょう。必要以上にお金を儲けることを考えるのではなく、自分の人生を如何に生きるかを考える人。


 資本主義でこういう人は殆ど居ないのではないかと思います。だって、誰もが競争で煽られ自分を見失いお金に振り回されて生きているから。本当は、そういう人生を早く卒業したいと思ってそうするのでしょうが。


 そういう人生を卒業した時には、何も考えられない人間になっているのです。何故なら、お金を持てば何も考えなくなるから。お金が全部やってくれるからです。それは、幸運にもお金をたくさん得た人であり、大抵はそこまで行けない。


 大抵は、お金に振り回される人生で終わってしまうことでしょう。


 お金を稼ぐことは難しいと思う人が多いのかもしれませんが、私たち人間の能力からみれば、そんなのは容易い事です。他人を騙せれば良いのですから。しかし、普通の人間にそれは難しいでしょう。


 だから、多くの人はお金を稼ぐことが難しくなる。そもそも、人間には向いていないのです。何故なら、そんなことの為に人生を使うほど陳腐な脳ではないから。


 今もっともお金を稼いでいるのはコンピュータではないかと思います。他人を騙すアルゴリズムが書けるので、それを早く確実に実行できる機械には勝てない。


 忘れてはいけないのは、我々はアルゴリズムが書けるということ。これは機械には出来ないのです。アルゴリズムが書けるという事は世界を想像する力を持っているという事です。


 現代人が最も忘れている力ではないかと思います。それは、資本主義が人間の無能に変えたからなのです。言われた事しか出来ない機械へ変えたのです。そして、今、機械にされた人間は本物の機械と仕事を争っている。


 実に愚かしい事です。しかし、その愚かしい事を命を賭けてやっている。本当は一笑に付すべきことなのですが、笑えない現実がそこにあるのです。


 もし、あなたが疲れているとしたら、人間としての能力が著しく低下しているという証拠になるのです。それは、他人のアルゴリズムに支配され機械の様に生きている証拠とも言えるでしょう。


 人間の最も偉大なところは、自分の力でアルゴリズムが書けるという事。それは、自分の人生を自分の好きな様に生きれることを意味するのです。全ての人間は、本来その素晴らしい能力を持っている。


 しかし、全ての人はそんな力が自分にあるだなんて知る由もない。


 もっと、人間という存在を知るべきであと思います。もっと、自分自身に興味を持つべきです。そして、他人の書いたアルゴリズムで動かされていることに気づくべきだと思います。


 疲れることにも意味や理由はあるのです。だから、単に疲れを癒しても意味がないのです。それは疲れを受け入れることであり、資本主義を受け入れることでもある。それでは、疲れは取れないし、本当の人生は手に入らないのです。



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