第17話 資本主義を支えているのは何か

 資本主義というのは、資本=お金、主義=教義と置き換えれば「お金教」という宗教になります。言葉というのは凄いモノで、お金教という宗教に入信する人はそれほど多くはないでしょうが、資本主義と名前を変えることで誰もが受け入れるのです。


 世界の中心がお金であり、お金が神になるのが資本主義なのですが、そういう実態を知りながらも、資本主義が何か素晴らしい原理であるかのように思う人が多いのではないかと思います。


 資本主義を支えるのは普通はお金だと思うかもしれませんが、実は、資本主義を支えるのは学校教育なのです。6才から18才までの12年間、我々は学校に通わされる。そして、それを国家の義務と称しているわけです。


 教育を受ける権利、受けさせる義務。


 ここら辺りも、言葉巧みにそれを人々に受け入れさせている。資本主義を根底から支えているのは競争社会なのです。国家や企業や個人が、他国、他社、他者と少しでも多くのお金を得ようと競争するから成り立つ。


 従って、別に競争しなくてもいいや!となれば、資本主義は一気に崩壊するのです。前年よりGDPは増やさなくても良いし、売り上げアップは要らないし、生活の質も上げる必要はない。


 となれば、誰も新しいモノを買わなくなるし、買い手が居なければ作らなくなる。そうなれば、多くの企業は倒産するでしょう。その結果、お金の必要もなくなり、国家が存在する理由も無くなる。


 そうならないためには、幼い頃より国民に競争意識を叩き込む必要があるのです。他国、他社、他者に負けない人間になるという強い思いを植え付けることで、人々は競争し資本主義を燃え上がらせる。


 くだらない教科学習での成績を煽り、運動会から学芸会まで、その成果を使って他者との競争意識を煽りまくって12年を過ごさせるのです。その結果、人間は戦うロボットに成り下がるわけです。


 人間同士の争いが資本主義に活力を与える。その争いがこの世界を地獄へと変えているわけです。資本主義の世界にある者は全て資本主義の産物であり、資本主義を彩るものです。


 そして、私たちは争い続けることが求められる。競争社会と言えば聞こえは良いですが、競争に負けることは死を意味するわけで、その実態は戦争社会と言えるでしょう。


 学校では戦争反対を訴えるかもしれませんが、学校が子どもたちを競争させることで戦争が起こっていることを知らないのです。脱資本主義とは脱競争と言えるでしょう。


 バカな人間は競い合うことで人類は発展すると学校で教えられたことを鵜呑みにしているわけですが、競争の先にあるのは全滅です。最近では、この過酷な競争が人類を滅ぼすと感じているのか分かりませんが、サスティナブルだとかSDGsという持続という言葉を多用するようになりました。


 しかし、学校教育を止めようとはならない。


 私たちから未来を奪っているのが競争である事には気づかないのです。


 競争社会を必要とする資本主義がある限り、私たちの世界は終わりへと向かうのです。その競争社会を支える学校教育を終わらせない限り、資本主義も終わらない。資本主義が終わらなければ、この地獄は人類滅亡まで続くのです。


 終わり良ければ総て良し・・・という言葉がありますが、このままでは、その逆の・・・終わり悪ければ全て悪し・・・となりかねないと思います。


 核分裂は破壊をもたらせますが、核融合は力を与える。


 人間も競争するのではなく力を合わせることで本当の力を得るのではないでしょうか?


 その為の社会づくり、システム作りが必要ではないかと思います。

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